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侵略者  作者: 京衛武百十
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講義

その後も、マリアンとキリアは、見付けた生き物をネタに楽しそうに話が弾んでいた。と言っても、ほぼマリアンが一方的にその生き物について語っている状態だったが。しかしそれを聞いているキリアの目がキラキラと輝いていて、とても嬉しそうにしてるのは傍目で見ていても分かった。


ベルカにはさすがについていけない内容だったので、周囲の警戒に意識を向ける。マリアンは夢中になると周りが見えなくなる傾向にあったからだ。


それにしても、ここの林はブロブの匂いが薄い。しかし全くしない訳ではないのである程度以上の動物は警戒して近付かないだろうが、動物にも中には匂いに対して鈍感なものもいれば、気付いていても気にしないものもいるので油断はできない。


が、幸いにも特に危険なこともなく、日が暮れ始めたのを察し、ベルカが声を掛ける。


「そろそろ日が暮れ始めたよ。遅くならないうちに帰らないと」


放っておけばそれこそ完全に日が落ちるまで夢中になっているので、今回は特に子供が一緒だしさすがに問題だろう。誘拐だのなんだのという騒ぎになっても困る。


「え? ああ、ホントだ」


空を見上げてようやく気付いたマリアンが声を上げる。だが、キリアは残念そうな顔をした。


それを見てマリアンは、


「じゃあ、あなたのおうちに行って話の続きをしようか?」


と提案した。


だがその瞬間、キリアの表情が曇る。


「あ……それは……」


「……」


その時のキリアの様子を見て、マリアンとベルカは顔を合わせていた。家庭環境に問題のある子供の反応だと察してしまったのだ。家庭を他人に見られたくないという心理が働いているが故の反応だと。


だからマリアンは無理強いはしなかった。


「分かった。じゃあまた機会があればってことで」


「…は、い……」


そう言うと、今度はまた寂しそうな表情になる。


それを見たマリアンは『なるほど』と心の中で頷いた。『他人には見せられないが、救いを求めてる』という状況かと。


そして言う。


「キリア。生き物はね。その場その場で自分にとって最善の道を探ろうとするのよ。だから生きる為には自分の親兄弟とだって戦う。自分の力だけで生きるの。


人間は弱い生き物だから自分一人では生きていけないけど、自分の力だけで生きようという気概を見せるの自体は悪いことじゃないわ。そしてそんなあなたを助けてくれる人、力になってくれる人もいる。


私はね。生き物が好きなの。懸命に生きようとしてる生き物が好き。


あなたは、そんな生き物達から何を学ぶ?」



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