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SS論文  作者: 文月
9/11

【考古学】〝ピラミッド〟建設の理由

世界(せかい)四大文明(よんだいぶんめい)の一つ、

それがナイル川周辺(しゅうへん)()まれた「エジプト文明」です。


このエジプト文明の象徴(しょうちょう)とも言える建造物(けんぞうぶつ)が、

「ピラミッド」です。

石材(せきざい)精緻(せいち)(きず)かれた

巨大(きょだい)三角形(さんかっけい)物体(ぶったい)は、

川から(すこ)(はな)れた高台(たかだい)に、いくつも(つら)なって鎮座(ちんざ)しています。


一体(いったい)(だれ)が、何のために(つく)ったのでしょうか。


この疑問(ぎもん)はこれまで、

(おう)(たみ)奴隷(どれい)として(あつか)い、自分の(はか)()てさせたのだ」

という、ヘロドトスの(せつ)をもって(しん)じられてきました。


しかし、(あら)たな発見(はっけん)により、

今や、それは完全(かんぜん)(くつがえ)されたといっていいでしょう。


なんと、王の(はか)(そば)から、

(おお)くの労働者(ろうどうしゃ)埋葬(まいそう)した(はか)が見つかったのです。

これは、民を奴隷化(どれいか)していたなら、破格(はかく)(あつか)いであり、

まず()()ないことです。

さらに、その(ほか)にも、

葬儀(そうぎ)を取り仕切(しき)っていたとされる神官(しんかん)、「カイ」が(しる)した碑文(ひぶん)には、

このような文面(ぶんめん)(のこ)されていました。


『人々(ひとびと)にビールとパンを支払(しはら)い、(かれ)らを(よろこ)ばすことを保証(ほしょう)する』


これは最早(もはや)奴隷(どれい)(たい)する(あつか)いではなく、

労働者(ろうどうしゃ)が、ピラミッド建設(けんせつ)(たい)して自発的(じはつてき)契約関係(けいやくかんけい)(むす)び、

確固(かっこ)たる保障(ほしょう)のもと、(はたら)いていたことを意味(いみ)します。

この(ほか)にも、ピラミッド製作(せいさく)強制的(きょうせいてき)なものでなかった理由(りゆう)()(しめ)証拠品(しょうこひん)

多数(たすう)発掘(はっくつ)されています。


とはいっても、ピラミッドを建築(けんちく)することは、(だれ)の目から見ても容易(ようい)なことではありません。

予想(よそう)()えた何千何万(なんぜんなんまん)という人数(にんずう)必要(ひつよう)としたはずです。


なぜ、そこまでして人々は(つど)い、ピラミッドを(つく)り上げる必要(ひつよう)があったのでしょうか。


それは、この()気候(きこう)(ふか)関係(かんけい)していました。

ナイル川付近(ふきん)()()る、この文明(ぶんめい)は、

普段(ふだん)は川の恩恵(おんけい)により、農作物(のうさくぶつ)(そだ)てて生計(せいけい)を立てていましたが、

エジプトは、雨季(うき)乾季(かんき)()(はげ)しいため、

大雨(おおあめ)で川が氾濫(はんらん)し、

農地(のうち)()()大洪水(だいこうずい)が、度々(たびたび)()こっていたのです。


そのため、多くの(たみ)が、この時期(じき)一気(いっき)(しょく)(うしな)い、行き場を()くしてしまう事態(じたい)(おちい)っていたに(ちが)いありません。

ピラミッド建設は、その解決策(かいけつさく)として、()()された、

いわば、(くに)(あぶ)れた人員(じんいん)生活(せいかつ)保障(ほしょう)する「公共事業(こうきょうじぎょう)」だったのではないかと推測(すいそく)されているのです。


これは、ピラミッドが当初(とうしょ)、王の(はか)という目的(もくてき)だけで(つく)られたわけではない、という(こと)当時(どうじ)暗示(あんじ)します。

それを裏付(うらづ)けるかのように、

「スネフェル」という()(おう)が5つもピラミッドを()っていたなど、

一人(ひとり)の王に(たい)し、複数(ふくすう)のピラミッドが()てられていた(れい)があることもまた、立証(りっしょう)されています。

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