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SS論文  作者: 文月
8/11

【心理学】〝危機感〟の鈍感化

あなたは、なぜ平気で外を歩いていられるか、考えた事がありますか?

もしかしたら、突然(とつぜん)、車が()っ込んでくるかもしれません。

もしかしたら、突然(とつぜん)電柱(でんちゅう)看板(かんばん)が落ちてくるかもしれません。


このように人間(にんげん)周囲(しゅうい)には、

(つね)に「死の危険性(きけんせい)」が(あふ)れているのです。


しかし、通常(つうじょう)、人々は、

この身近(みじか)な死の危険性を知覚(ちかく)することなく、行動(こうどう)しています。

何故(なぜ)そのようなことが可能(かのう)なのでしょう?


これは、(のう)が「危機感(ききかん)」を(おさ)えつけ、

わざと鈍感化(どんかんか)させているからに(ほか)なりません。

それというのも、逐一(ちくいち)予測(よそく)できる()(たい)し、過敏(かびん)対応(はんのう)していては、

(わず)かな動作(どうさ)()こすだけに、過剰(かじょう)な心的ストレスを(よう)してしまうからです。

そのため、脳は、日常化(にちじょういか)した現象(げんしょう)は、恒久的(こうきゅうてき)に続くものだと錯覚(さっかく)させることで、

日々の()らしを可能(かのう)にしているのです。

このような心的(しんてき)メカニズムを「正常性(せいじょうせい)バイアス」と言います。


ですが、このメカニズムは、両刃(もろは)(つるぎ)でもあります。

なぜなら、

本当に異常事態(いじょうじたい)発生(はっせい)した場合(ばあい)

その足枷(あしかせ)にもなりかねないからです。


(たとえ)えば、警報機(けいほうき)緊急地震速報(きんきゅうじしんそくほう)が流れても、

誤報(ごほう)悪戯(いたずら)相次(あいつ)いでいれば、

()こるわけがない」と無視(むし)し、

平時(へいじ)と変わらぬ行動(こうどう)を続けてはいないでしょうか?


これは、「正常性バイアス」がきちんと(はたら)いている証拠(しょうこ)ですが、

同時(どうじ)に、本当に災害(さいがい)発生(はっせい)した場合(ばあい)

対応(たいおう)(にぶ)らせる原因(げんいん)にもなり()るのです。

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