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SS論文  作者: 文月
6/11

【生物学】〝偽遺伝子〟の可能性

人のDNAには、〝眠れる遺伝子(いでんし)〟とも(しょう)される

偽遺伝子(ぎいでんし)」というものが存在(そんざい)します。

この偽遺伝子は、

普段(ふだん)は使われていませんが、

(かならず)ず、かなりの(かず)が、あらゆる生物のDNAに組み込まれています。

けれど、多くの場合、

使用されることはなく、

生物はその生涯(しょうがい)を終えていきます。


では、必要ない物なのかというと、

必ずしも、そうとは言い切れません。

環境(かんきょう)突如(とつじょ)として激変(げきへん)した(おり)

それに適応(てきおう)するための力になるのではないかと考えられているからです。


その良い例が、

アフリカの赤道(せきどう)付近(ふきん)の地域に住んでいる黒人に見られた

赤血球(せっけっきゅう)の変化〟です。


通常(つうじょう)、赤血球はアンドーナツのような形をしていますが、

この地域出身の人々の赤血球は、鎌状(かまじょう)になっていることが分かりました。

これは、この地で過去に大流行(だいりゅうこう)したマラリアに対抗(たいこう)するために

大変有効な性質を()めていることが判明(はんめい)しています。


このような現象(げんしょう)を含めて、

時に、周りの同種(どうしゅ)の生物とかけ(はな)れた特徴(とくちょう)を持って生まれてくる個体の変化を、

突然変異(とつぜんへんい)〟と呼びます。

これは、ある(しゅ)の進化の可能性とも取れるのです。



これまでの長い歴史の中で、

大抵(たいてい)の生物が、この偽遺伝子による変化の(もと)

最適(さいてき)な可能性を(さぐ)り、増殖(ぞうしょく)し、現在の形に(いた)っています。


よく、遺伝子を完全に開花(かいか)させれば、

最強の生物が生まれるのではないかと言われ、

実際(じっさい)、あらゆる実験(じっけん)(おこな)われていますが、

そうして造られた生物は、

あくまで今の環境下(かんきょうか)における〝最強〟であり、

ちょっとした気温の変化や新種(しんしゅ)のウイルスの蔓延(まんえん)などによって、

適応能力(てきおうのうりょく)()けるため、

真っ先に(ほろ)びの道を辿(たど)運命(うんめい)あると言わざるを()ないのではないでしょうか。

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