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SS論文  作者: 文月
2/11

【歴史】義経の奇策(源平合戦)

源義経(みなもとのよしつね)とは、当時(とうじ)鎌倉幕府(かまくらばくふ)政権(せいけん)(にぎ)っていた源頼朝(みなもとのよりとも)実弟(じってい)である。

その(いくさ)(さい)(なみ)はずれて高く、

兄の意志(いし)を共に(つら)くため、

(つね)(てき)戦前(せんぜん)にて対峙(たいじ)し、活路(かつろ)を切り開いていったとされています。

そこには、既存(きぞん)(わく)(とら)われない奇抜(きばつ)(さく)がいくつも(もち)いられていました。


その中でも、(もっと)有名(ゆうめい)なのが、『一ノ(いちのたに)(たたか)い』で断行(だんこう)された、

鵯越ひよどりごえ逆落(さかお)とし」と(しょう)される戦法(せんぽう)です。

義経は、人馬(じんば)()()りることは不可能(ふかのう)だと思われる岩壁(かんぺき)頂上(ちょうじょう)(ぐん)(はい)し、

「自分を手本(てほん)にせよ」と言い放つなり、先頭(せんとう)をきって(がけ)()()りていったのです。

崖の角度(かくど)は30度から60度。

まさか人馬がくだってこようとは夢にも思わなかった平氏軍(へいしぐん)は、完全(かんぜん)(きょ)()かれ、

混乱(こんらん)の中、海へと逃走(とうそう)することを余儀(よぎ)なくされます。

この常軌(じょうき)(いっ)した非凡(ひぼん)(いくさ)の才は、かの有名(ゆうめい)な『壇ノ(だんのうら)の戦い』でも如何(いかん)なく発揮(はっき)されました。

当初(とうしょ)海上戦(かいじょうせん)得意(とくい)とする平氏(へいし)に対して、

源氏側(げんじがわ)劣勢(れっせい)余儀(よぎ)なくされていたのです。

海流(かいりゅう)を知り、(ふね)自在(じざい)(あやつ)る平氏軍を前に、源氏軍(げんじぐん)は完全に劣勢(れっせい)()いられていました。

ところが、そんな中、形勢(けいせい)一気(いっき)(くつがえ)したのが、

義経の(はな)った、たった一つの命令(めいれい)です。

水夫(すいふ)(ねら)え。」

その指示(しじ)を受けた、味方(みかた)(へい)一様(いちよう)にざわめき立ちました。

なぜなら、当時、非戦闘員(ひせんとういん)であった(かじ)取りの水夫(すいふ)は、

いわば陸上戦(りくじょうせん)における馬のような存在で、

それを(ねら)う事は卑怯(ひきょう)だと認識(にんしき)されていたからです。

しかし、義経は戦場(せんじょう)にあって、それに(くみ)する以上、()つべき(てき)だと(とら)えたのでした。

この、今までの常識(じょうしき)を打ち(やぶ)慧眼(けいがん)策略(さくりゃく)により、

義経は見事(みごと)、この戦いを源氏側の勝利(しょうり)(みちび)くに(いた)ります。

しかし、この(とき)(すで)に、その戦法(せんぽう)斬新(ざんしん)さゆえに、

源氏軍と義経の(あいだ)に、見えない亀裂(きれつ)(しょう)じ始めていました。


(いくさ)()えた伝令兵(でんれいへい)(おく)った頼朝(よしとも)への報告書(ほうこくしょ)にはこう(しる)されています。

「義経が、戦場で自由勝手(じゆうかって)振舞(ふるま)い、関東(かんとう)武士(ぶし)たちから(うら)みを買っている」

この一文(いちぶん)を見た頼朝は、統率者(とうそつしゃ)という立場(たちば)から、

遠征軍(えんせいぐん)に、「もう義経に(したが)わなくてよい」と言い(わた)すと同時(どうじ)に、

義経に対し、鎌倉(かまくら)への立ち入りを(きん)じました。


文治(ぶんじ)1年(1185年)5月24日、頼朝が義経追討(よしつねついとう)を命じる半年前(はんとしまえ)出来事(できごと)です。

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