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天嵐の龍  作者: 誇張蘭
第一章 兎攫いの狗
3/61

間章

『龍の九似』というものをご存じだろうか。その名の通り、龍という存在は九つの生き物に似た部分を持つという伝説である。

角は鹿

頭は駱駝

目は鬼

身体は蛇

腹はみずち

鱗は鯉

爪は鷹

掌は虎

耳は牛

但し、目に関しては兎という説もあるが。

僕たちが住む町には、その昔龍がいたという言い伝えがある。


龍は人々に信仰され崇められ称えられて町を守ってきた。何代もの人間を見てきて、共に暮らし、共に戦い、共に生きてきた龍は、いつしか人間に憧れるようになった。今まで様々な生き物に出会ってきたが、人間ほど感情に恵まれ、情緒が豊かで、美しく時に儚いものに巡り合ったことはなかった。いつまでもこのような生活を望む反面、どこかでもの悲しさを覚えていた。

幾千年と時を重ねた龍であったが、しかしたとえ伝説の存在だとしても死からは逃れられなかった。龍はその最期に、自らの身体をバラバラにするよう人々に頼んだ。角を抜き、頭を切り取って、両目を抉り、身体をぶつ切りにして、腹を裂き、鱗を剥ぎ、爪を剥がして、掌をもぎ、耳を毟った。やがてそれぞれの部位は人間へと生まれ変わり、再び人々と共に在るようになった。さらに龍は死の前に子を成し、彼らと共に町を守るよう命じた。


それら『龍の九似』の末裔が九鬼や鳴鹿である。正確にいうならば九鬼家や鳴鹿家、だが。それぞれの部位に両目を含めた十の家と龍の子がいる本家でこの町を今も守っている。

否、十家が守っているのは町ではなく、本家であるのだが。

龍から分かれた十の名。

鳴鹿・砂舟すなふね・九鬼・一兎いっと蛇沢へびさわ御土みつち鯉沼こいぬま鷹宮たかみや虎谷こたに牛久うしく

それぞれがそれぞれに固有の力を持っており、代々受け継がれてきた。

全ては世に生きる人々のため。

守るべき子のため


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