17話
「おま………それって……」
「そう、私はね…っといいところだったけど時間切れみたいだね」
「え…?」
琴美はそう言って家のある方を指差す。
俺は指差した方を見ると、美花が俺たちの名前を呼びながらこっちに向かって小走りで近づいてきていた。
「玲ー!琴美ー!」
「まあ、この続きはまた今度にでも…ね。今はうまく話合わせてね」
「お、おう。わかった」
正直話は気になるところだが、事故のことは美花にはばれたくない。もし仮にこの後話すことがあったとしても、今は言うべきではないと思う。だからとりあえず今は琴美に合わせておこう。
そして美花は俺達に近づくなり問いかけてくる。
「二人ともどうしたの?」
俺は琴美に視線を向ける。琴美が話を合わせてっといったのだからここで俺が勝手に切り出してはいけないと思ったからだ。
「たまたま私が星を見にきたら玲が先にいてさ、それで二人で星を見てただけだよ」
「あーなるほどね!実は私も星を見に来たんだよー。それにしても玲が星を見に外に出るなんて珍しいね」
「そうか?」
「うん。柄じゃないというかなんというか」
「それはそれでひどいな」
「あはは…。でも今は三人でゆっくり星でも見ようよ」
「そうだね。そうしよっか」
琴美がそう言って美花を促す。…どうにか難を逃れられたようだ。
ただなんとなく居心地が悪く感じてしまったので、俺はその場を立ち去ることにした。
「悪い、俺は先に部屋に戻ってるよ。二人で楽しんで。風邪ひかないようにな」
「んー。わかったー」
俺は美花の返事を聞き、右手を振って家の中へと戻った。