[5]私と選挙と揺ぎ無い自信
いつもより結構短めです。
「あ……。思ったんですけど、入部届けって出す必要があるんですか? 確か、生徒会長ってこれから選挙で選ばれるはずですよね」
毎年夏休み前に、生徒会長選挙が行われるはずだけど。そして引継ぎを夏休み中に行うのが基本なのだ。
「そうだが?」
……そんなに、当然だろ?みたいな顔をしないでください。
「そうじゃなくて! 先輩は落ちるかもしれないのに、今から生徒会役員を集めて早くないですか?」
出したとしても、もし先輩が落ちたらその意味がなくなる。
すると、先輩はむすっとした不機嫌な仏頂面をした。
「……君は私が落ちるとでも思っているのかい? そんなわけないだろう」
どこからそんな自信が出てくるんだ。もしかして、本気で思っているのかな。
「いやいや、分からないじゃないですか。必ずしも先輩がなるわけではないし」
「なると言ったらなるんだ。そう思っているから、今から役員を集めている。まあ、入部届けは役員になる予約のようなものだ。だから、君もはやく書け。今拒否したとしても、必ず選挙後に書くことになるのだから、同じだ」
「いっつも思うんですけど、どっからそんな自信が湧いてくるんですか!」
「自分からに決まっているからだろう」
「何様のつもりですか!」
絶対、意地でも書いてやらない。この先輩がいなくて、すこし寂しいなとか思った私は相当馬鹿だった。
でも、結局自分から名前を書くことになる。それが分かるのは、もうすこし後の話。
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こんな文章でも読んでくださる方がいると、嬉しいです。
ようやく次回から進展(?)していくつもりです。
じれじれですけど、これからもよろしくお願いします。