遠い記憶
「やーい名無し名無し」
石や土団子を投げられる少年。
この町ではよく見られる光景。
彼が名無しと呼ばれる様になったのは降臨の儀式からだった。
この国では7歳になると降臨の儀式を受けられ、能力が授けられる。
しかし、6歳のある日…
母親と森へベリー摘みに行っていた時魔物に襲われ、母親は死に彼は頭を強く殴られ、記憶を失った…
母親との思い出も、自分の家も、自分の名も…
偶然通りかかった冒険者に助けられ、町で治療を受け命は助かった。
なんとか
自宅に帰る事も出来たが、この町に来たばかりの彼の名を知る者は居なかった。
それからは森で薬草やベリーを採り生活していたが7歳になったある日降臨の儀式を受ける様言われ、
教会へ向かったが…
「自分の名前を言えない者は能力は授けられないんだ…すまん」
神父は申し訳なさそうに言った。
この儀式は自分名前を言った後、水晶に触ると能力が授かる様になっていた。
試しに何も言わずに水晶を触ったが、何も起こらなかった…
その儀式で名前を忘れて名前が無い事がばれ、
「名無し」と言われる様になった。
母の夢を見た時に「⚪︎⚪︎⚪︎ちゃん大きくなったら…」
この夢を何時も見るが肝心の名前がボヤけていて分からなかった。
「俺にだって名前があったはずなんだ!母さんから貰った大事な名前が!思い出せ!思い出せ!」
遠い記憶を探すが、母親の名前も自分の名前も思い出せなかった。
朝起きて、ギルドに行き、森の情報を得て、森へ向かった。
薬草やベリーやきのこを採って、ギルドで換金して
帰りに石を投げられ、母親のお墓参りに行って帰る。
こんな毎日を繰り返して2年が経ったある日…
いつもの様にギルドへ向かうと閉まっていたので仕方なく、そのまま森に向かった。
薬草やベリーを探しながら名前を思い出せないかと毎日記憶を辿るが思い出せない…
ぼーっと森を探索していると、GYAooo oo
鳴き声と共に魔物が現れる!
彼の前に現れた魔物は…母を殺したあの魔物だった!
「あいつだ!!よくも母さんを!仇を取ってやる!」
攻撃を交わしつつ石を拾い投げつけた。
石は魔物の額に当たったが、能力も授かっていないただの子供の力では傷を付ける事さえできなかった。
森の木を利用して逃げ回り、撒こうとしたが
逃げた先は崖だった。
「クソ!母さんの仇も取れずに死ぬのか…だったら…」
彼は魔物を挑発し、魔物は彼に飛びかかった!
彼は魔物に当たるギリギリて避けて魔物を崖に落とした。
「ざまぁみろ!」
しかし彼も魔物の一撃を喰らい、頭から血を流し
その場に倒れた。
次回に続く
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