止まれない奴へ
自転車を漕いで、どんどんスピードを上げる。
速くなればなるほど、視界なんかどんどん狭くなる。
見る気もない、確かめる気もない。自分がどこへ突っ込んでるのかすらどうでもいい。
振り向く?そんな暇あるか。どうせまた前に進むしかないんだ。
まるでプログラムされたみたいに、壊れたロボットみたいに、止まることすら許されない。
目標?
そりゃあるさ。なけりゃ生きてるフリすらできない。
でもいざ超えたところで、スカスカで虚しいだけ。
元から自分にくっついてたみたいで、全然満たされない。ただただバカみたいだ。
で、どうする?
また次の目標をぶら下げて、自分に芝居を打つ。
立ち止まったら、自分が何も持ってないのがバレるから、
だから加速するしかない。身体がボロボロになっても、意味のあるフリをしなきゃならない。
失くした何かを探してるって言うけど、
正直、もう何を探してたかも忘れた。
ただただ前に進むしかないっていう、本能だけで動いてるクズみたいなもんだ。
クソ、結局は前に進むしかないんだよ。
生きるってそういうことだ。
どうしようもないほど醜くて、
それでも止まる勇気くらい、持ってみろよ。