第五話 漢の勲章
令和に病死した僕は、平成時代の寵児であるAV男優兼漫画家『バズーカ南斗』に転生した。
そして、スポーツ・エンターテイメント番組『マッチョ・ファイトバトル』に出場して、圧倒的な強さで優勝する。
その収録の後、女子アナの佐藤あや子が、僕に近づいて話しかけてきた。
「南斗さんは、本当に凄いんですね」
「たまには大会に出るのも良いよね」
「私、実は南斗さんのファンでした」
「漫画家のファン。それともAV?」
僕の質問に、一瞬、黙ったあや子は、ニコリとした笑顔で答える。
「もちろん、両方に決まってますよ」
「へぇ、あや子さんはAV見るんだ」
「やだぁ、南斗さんだけですよ〜っ」
さらに僕は、ゲスい質問をぶつける。
「それ見て自分ですることもある?」
「なんて質問するんですか。エッチ」
完全にメスの顔になり、あや子は、すでに発情しているように見えた。
「あのう、ご飯に行きませんか?」
なんという軽い女だ。人気ナンバーワン女子アナの佐藤あや子も、僕の肉体美と圧倒的なパフォーマンスを目の当たりにして、
「あや子さん、俺に惚れてしまったのかな?」
「もう、女の子に、そんな事を言わせないで」
この後、当然、愛車のランボルギーニ・カウンタックに、あや子を乗せ、都内の三ツ星レストランで腹ごしらえをして、高級ホテルへ、なだれ込む。
「軽い女だと思わないで、南斗さんだけだから」
「そんなことは、言わなくても分かっているさ」
女という生き物は、いつでも、こういう言い訳が必要なものだ。
この部屋は最上階のスイートルームであった。窓からは都内の夜景が一望できる。
「さすがは最上階。綺麗な夜景ね」
「いや、あや子のほうが綺麗だよ」
「そういう事は言われ馴れてるの」
あや子はイタズラっぽく笑い、僕たちは自然と口づけを交わした。
そして夜通し、ベットでハッスルする。あや子は、僕のテクニックで狂ったように歓喜した。
情事のあと、あや子は、
「こんなに感じたのは初めてよ」
頰を赤らめ、恥ずかしそうに呟く。
なんいう事だろう。転生する前の僕は生まれつき病弱で、何も良いこともなく、病院のベッドで死んでしまったというのに。
この新しい人生では、高級ホテルのスイートルームで人気女子アナと『致している』まさに天国だ。
だが後日、写真週刊誌『FIRE』に、僕と佐藤あや子との『大人の関係が』スッパかれた。
『バス南♡あや子の熱い夜』
との見出しで、ホテルへチェックインする瞬間を激写されていたのだが、ズーカ南斗に転生した僕にとっては、これも一つの『漢の勲章』である。




