第二話 マッチョ・ファイトバトル
伝説のAV男優兼人気漫画家『バーズカ南斗』に転生した僕は、TVアニメの打ち合わせのためにテレビ局に出向いた。
その時、アニメ制作のスタッフの他にバラエティ担当のプロデューサーもいたのだが、
「どうも、上嶋と申します」
と、名刺を差し出した彼は真っ黒に日焼けしていて、いかにも業界人風だが、胡散臭い笑顔で、こう言う。
「実は南斗先生に、お話がありまして」
「アニメ以外で、俺に何の話ですか?」
「バラエティ番組への、出演依頼です」
そのバラエティ番組とは『マッチョ・ファイトバトル』と銘打った、スポーツ・エンターテイメントの番組らしく、体力自慢のタレントや著名人を募って、そのフィジカルを競う企画らしい。
「面白そうだから、出るよ」
僕は即答で快諾し、番組への出演が決まった。
そして収録の当日。撮影は室内陸上競技場で行われ、実況担当の男性アナウンサーが、声高らかに宣言する。
[ここ春日部スーパーフィールドで、スポーツの祭典『マッチョ・ファイトバトル』今、開幕です!]
出演者は、アクション俳優、男性アイドル、お笑い芸人、元スポーツ選手などが十名。
まずは、砲丸投げ、走り幅跳び、短距離走で予選が行われて、上位の四名が準決勝に進む。
そして競技直前に、女子アナの佐藤あや子が僕にマイクを向けた。
「物凄い筋肉ですけど、自信は?」
「女性を逝かせるほうが得意だよ」
僕は軽くセクハラ発言を吐く。
[さあ、いよいよ第一種目の砲丸投げです。トップバッターは元AV男優のバズーカ南斗]
との実況の声に僕は、
「元じゃなくて、現役AV男優だよ!」
と、言い返し、スタンドの観覧者はドッと笑う。
バラエティ番組としては、美味しい場面だろう。そして、笑いが静まった頃合いを見計らって僕は、
「うりゃあーっ!」
砲丸を、ぶん投げた。
ドスン。
自分でも意外なほどに飛距離が出て、実況が驚きの声をあげる。
[記録は19メートル5センチ。な、なんと日本記録に次ぐ、大記録です!]
これにはスタンドの観覧者も、
「おおうっ」
と、どよめきの声を漏らす。
その大投てきを見せた僕に、元野球選手の桑原貞茂が話しかけてきた。
「凄い、今でも国体で優勝できますよ」
「だろうな。だけど俺は、AV男優さ」
その後、競技は順調に進み準決勝進出は、以下の四名である。
・アクション俳優の富士丘ヒロシ
・元野球選手の桑原貞茂
・体力系お笑い芸人の仲夜魔キン弍君
・AV男優兼漫画家のバズーカ南斗
バズーカ南斗は予選をトップの成績で通過した。




