第六話 シャルの授業その①
「それでは本題に入る。今から話すことは普段のお前たちにはない新たな概念についてだ。そのため受け入れるのは難しいと思うがよく聞いてくれ」
そう言ってシャルは説明を始めた。
カイもシエルもいったいどんな話をするんだろうと少しドキドキしている。
「私がお前たちにできること、すなわちそれは誰もが潜在的に持っているもの『感』を引き出し、より強化することだ」
感とは動物が外角を感知するための機能であり、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を合わせた五つを五感という。
「だが私が指す感とは五感のことではない。それはごくまれに生まれ持つ者が現れ、人はその人を超人という。時に特殊能力ともいわれるが古代カシオン人はそれをこう呼んだ、『第六感』と。そして彼らは考えた。その力は誰にでも備わっているのではないかと。それは発現する人に特に変わった特徴が見られなかったからだ。そして研究した。研究の結果わかったことは誰にでも潜在的に備わっていること。生まれ持つものは遺伝的にその機能が顕著に表れているだけであり、誰でも引き出せるということ」
シャルはそれに続けて第六感について説明を始めた。
人には核となる部分がいくつか存在し、特に重要な部分が脳、脊椎、心臓だ。
そこから生きていくために必要なエネルギー、生命エネルギーが全身に送られる。
そしてその生命エネルギーが心をつかさどる精神エネルギーに変わり、活発に体を動かすために必要な身体エネルギーに変わる。
最後身体エネルギーは、生命エネルギーに変わり、主にこの三つで循環している。
しかしそれとは別の流れがある。
精神エネルギーが身体エネルギーに、身体エネルギーがが生命エネルギーに変化するときにエネルギーの一部が新たなものに変わる。
それを波動という。
白熱電球に電気が流れ光がつく。その過程で一部は光になれず熱に変わるように、エネルギーが体内を循環する中でその一部が波動として体外に漏れ出す。
そしてこれは誰しも共通して起こっていることである。
そして体外を波のようにゆらゆらと覆ってる。
これが波動である。
通常は非常に微弱であるため視認はできない。
では波動と第六感の関係は何なのか。
簡潔に説明すると、第六感とは波動を利用することで得られる個人特有の能力である。
体で波動を能力に変換し行使する。これが第六感の仕組みである。
逆に言うと波動とは生命活動を除いて自分が自由自在に操れるエネルギーということになる。
しかしシエルは何か違和感を覚えたかのように怪訝な顔をしている。
「一つ謎なんだが、普段実感できないその波動を自由に操ることは限りなく不可能に近くないか。ましてや視認もできないとなると俺たちに波動を感じるすべはないと思うのだが」
「そうだな。いいところに気が付いたな。」
「え、おれだけ。全然気が付かんかったぞ」
波動の流れとは一種の生理現象であり、毎日起こっていることだ。
「操れるようになるにはそう、感じるしかない。無意識の領域にあるものを一回意識の領域に引き入れるしかない」
するとシャルが三本の指を立てた。
「それには三段階のステップをこなす必要がある。体験する、イメージする、そして練る!さっそくやっていくぞ」
前二つは大体わかった。
(練るとはなんだ)
分からないことだらけだ。だがやるしかない。
できるかは半信半疑であるがシャルが言うことを実践してみることに決めた。
「おす!!」
説明続きで申し訳ないです。こちらも頑張って書きます。