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永遠浮世

作者: 影打無銘

勢いに任せて書きました

その日は雨が降っていた、目の前にいる敵をただひたすらに殺すことしか頭になかった、


刀を振り落ろすと知らぬ人間の身体が力無く崩れ落ち転がる、また一つまた一つと増えていく、


相手の刀が頬をかすめたが、恐怖は無くただ冷静に切る、次の相手を捉えようとしたとき、


目の前ばかりに集中していたせいか矢が放たれたことへの反応が遅れる、


地面に這いつくばっている先まで生きていた亡骸を掴み構えたが、


ぐさりと矢じりが深々と肉を抉る音が脳まで響く、歯を軋ませうめきを抑えた、


足に刹那の痛みを感じたらじんわりと温かさを覚えた、その感覚も束の間敵が攻め込んでくる、


足に刺さった矢を抜き唾をかける、また集中して相手を無我夢中で殺しにかかる、


今ので何人目だろうか、足の痛みはもう感じない、刀を持つ手に力が入らなくなってきた、


目も霞んできた、そのせいか相手の首を切ろうとするも寸で届かない、すぐさま向きを変え腕を切る、


相手の落ちた腕を持ち二刀で突き柄を手放す、


地を見回し敵の手から血が少ない刀を盗り更に身体を撥ねる、


彼も人だ、人である限り長くは持たない、無意識の間に膝をついていた、


目の前から幾人、好機と獲物を構えてくる、必死に右足を伸ばし刀を大袈裟に振るう、


否、大袈裟は相手の三人の足 胴 首を一振りで狙い切る、足を切った者は足を失い身体が倒れながらも刀を振るった、


ゆらゆらとしかし確実にそれを避けながら逆手に持ち替え足で腕を押さえ頭蓋を貫く、


彼はなんとか呼吸をしながら残っている力を絞る、死に震えながらも全身に覚悟という名の強化を滾らせる、


勢いよく地を蹴りまた刀を振り出す、ひたすらに腕や首を落としていく、


腹を切り臓腑を散らす、刀を受け流し手首と頭を薙ぐ、振り下される槍を避け柄を掴み首を切る、


懐に入り刀を腹に突きさし上に向かって裂く、また矢が飛んできたが、


既に狂っている彼は前に進み、刀を振るう以外眼中になかった、まるで修羅のような人相で、


雨の如し矢も目に追えぬほどの速さで弾き除けていた、だが全て払えたわけではなかった、


幾つかの矢は肺や腕を突き刺し血を滴らせている、それでも前に進み始める、


刀を振ればそれに呼応するかのように体が悲鳴を上げ壊れゆく、それすらも感じぬと言う様に尚も切り続ける...


人生の刻を一身に浴び消耗している様な、彼の視界には既に靄がかかりきっている、


すでに彼の意識はほとんど残ってなく、手から刀を転げ体の感覚を何処かに手放し虚に灰色の霞を見つめている、


僅かながらも雨音と共にこちらへ向かってくる足音が聞こえ、   


更に近づいてくる


近く


近くなり


少しの吐息と鋭い音の中に肉が切れる音が曇り空にこだまする、すぐに雨音が遮る、


一瞬目の前が白くなり見えなくなったと思えば、だんだんと視界が晴れてくる、あんなに続いていた雨も止んでいる様に感じる、


次に彼が目にしていたのは自分の体だった、首だけとなった頭から涙を流し笑っていた、


彼は死した、意識が薄れゆく中彼は何を思って死に逝ったのか、


語らうのは雨音だけだった。

小説書くの初めてなので何卒

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