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四天王最後の壁

「あーすっきりしました」


「見ているこっちは恐ろしかったがな」


 エレナは一通り弄んで満足したのか、もはや呻くことしか出来なくなっている彼女を終わらせた。

 思えばアリサにも似たような残虐性があることを思い出す。

 我を襲ったクラーケンへのあの恐ろしい仕打ちだ。

 もしかしたらこの倫理観の欠如した残虐性は、勇者になる上で必要な要素なのかもしれないな。


「よし、先を急ごう。思ったよりも時間を消費してしまった。確か最上階に続くエレベーターがあるはずだ。それに乗って行こう」


「ディアウスのいる場所がわかるのか?」


「どうせディアウスのことだから最上階でふんぞり返っているはずだよ」


 神の案内のもとエレベーターに乗り最上階を目指す。

 最後の決戦が近づいている。階を登っていくほどにその感覚が強くなっていく。


 エレベーターは最上階に着いたことを示す音を鳴らし、その扉を開ける。

 目の前には赤と黒を基調とした部屋が広がっている。

 そしてその部屋の中央の玉座に座しているのは、紛れも無くディアウスであった。


「ようやくここまで来たのだな」


「ああ来てやったぜ。あの時の私たちとは違うからな!」


「ほう。弱いものほど良く吠える。ではその力を試させてもらおうか。リエル、行くのだ」


「承知いたしました魔王様」


 玉座のそばに立っていた女性が前に出る。


「四天王最強の、このリエルが相手をいたしましょう」


「四天王最強……だと?」


 ……ん? 四天王?

 最初に深海に攻撃を仕掛けてきたサキ。地下で戦ったアズとバドン。そして魔法を無効化してきたアルマ

 そしてこのリエルという女性。


 ……5人おらんか?

 いやまあ我が魔王軍も幹部が五人いるのだが。一応五天王と名乗っているから問題は無かろう。

 ……問題ないよな?

 四天王なのに3人しかいない期間が有ったり、逆に今は5人いたりするけど……数字に弱い魔王だと思われていないよな?


「四天王の五人目ということか。おもしれえ、かかってこいよ!」


「おい待てリエルよ。其方、5人目なのか?」


「そうですが」


「たわけ! 四天王が5人おるでは無いか!?」


 どうやらディアウスは気付いていなかったようだ。

 そもそも他に幹部を見かけなかったことから、ディアウス側に付いたのが5人だけなのでは無いだろうか。


「てっきり魔王様の常識にとらわれない崇高な策かと思いまして……」


「そ、そうなのか!? そうだな、そういえばそんな事もあったな」


「やはりそうなのですね! 流石は魔王様!」


 どう見ても嘘でしか無いが、それを聞いてディアウスを褒めるリエル。

 茶番か何かを見ているようだ。


「さあ、改めて四天王の5人目であるこのリエルがお相手いたしましょう」


 リエルはそう言って魔法の詠唱を始める。

 あまりにも隙だらけであるため海神とアリサが殴りこむ。

 

 が、二人共リエルに近づいた瞬間動きが鈍くなって行きやがて止まった。


「体が……重い?」


「なんと、わらわの動きをここまで制限するとは」


「二人共どうしたんだ!」


「その状態でも動けるなんて。ここまでたどり着けるだけの実力を持っているのも納得ですね」


 リエルが何かをしたのは確実だ。だが実際に何かをしたような素振りは見えなかった。

 アルマのような特殊な力を持っているのだろうか。


「オレたちも攻撃しましょう。あまり時間をかけるのは得策では無さそうです」


「そうだな」


 動きが鈍るのであれば魔法による遠距離攻撃を行えば良い。

 ……しかしそう簡単な話では無かったようだ。

 

 我とエレナによって放たれた魔法は、強い力で引っ張られるように地に落ちたのだ。

 反射されたわけでも我の義手についていたチャフのような効果でも無さそうであり、なぜこうなっているのかがわからない。


「いったいどうなっている……?」


「これは、ちょっと面倒くさいことになってきやがりましたね」


 近づけば動きを止められ、かと言って遠距離攻撃も届かない。

 まさしく四天王最強の力を持っていると言って差し支えない。


「それでは、お次はこちらから行きましょうか?」


 彼女の能力がわからないまま、我らは攻撃を許してしまったのだった。

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