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海底の居城

 神と共に歩き初めてから数時間が経ったとき、前方に薄っすらと建造物が見えてきた。

 まだ遠いというのに存在感を放つそれは、間違いなく巨大ということになる。

 

 自称神を名乗る者が住まう城であればおかしくは無いか。


「見えてきた。あれがアイツの住んでいる城だよ。大きすぎてほとんど使いきれていないらしいけどね」


「城を持ち深海に住むとは、いったい何者なのだその海神という者は」


「アイツは天界の元幹部だったヤツだよ。追放されたけどね」


「追放とな?」


 神の話によると、海神は天界で幹部として勇者の管理を行っていたのだと言う。

 だが追放されてしまったため、今では海底で自称神として過ごしているらしい。

 自称神を謳うだけありこの辺り一帯の海の管理を行っているらしく、その能力も本物であるため天界からは神を名乗ることを黙認されているとか。

 ……ただ単に関わりたくないだけかもしれんが。


 しかし天界からの追放か。よっぽどの事をしでかしたのだろうか。


「それで、追放されたのには何か理由があるのか?」


「そうだね。あれは今から……不味い!」


「危ないディアベル!」


 城の方から何かが射出された。

 そう認識した時には既にその何かは我に直撃しており、危うく死ぬところであった。


 しかし今の我はそのような攻撃では致命傷は受けぬ。

 着てきて良かったパワードスーツ。

 これにより直撃による衝撃で少しふら付いただけで、大きなダメージは受けずに済んだ。

 スーツが無ければ即死であった。

 

「今何が撃たれたのだ?」


「アイツの城の防衛装置が発動したみたいだ。それにしても、あれが直撃しても大丈夫だなんてそのスーツ相当性能良いね」


「スーツ? ディアベル何か着てんのか?」


「シグマを倒した時のパワードスーツだ。……しかし神よ。透明化させてあったはずだがなぜ気付いた?」


「天界の宝石特有の魔力かな? それを放っていたからちょっとね」


 神は最初から気付いていたような振舞いだ。

 このパワードスーツは神の使いの落とした宝石を素材として作られている。

 天界の者にはそれらを認知出来る何かがあるのだろう。


「あーあれか。おっぱい光線の時の」


「それはもう忘れよ……」


 せっかくほとぼりが冷めてきたと言うのに、アリサの中ではまだホットな話題の様だ。

 我の裸体は見られぬくせに、想像を掻き立てられる様なこういった言葉は大丈夫だと言うのがわからん。

 どうにか忘れるまで耐えるしかないものか。


「追撃が来る。しばらくは避け続けるしか無いかな」


 城から放たれる攻撃は休まる気配が無い。目で見た瞬間には目の前に飛んできている代物なため、我はまともに避けることは出来なかった。

 だが神とアリサは易々と避けている。それもギリギリでの回避では無くある程度余裕をもってだ。

 それによりこの攻撃が追尾系では無く、対象に向けた直線的なものであることがわかる。


 しかしそれを見ていると、我とアリサの実力差が浮き彫りになってしまうな。

 まあ我は魔法での戦いが主体な魔王であるため、そもそも物理戦闘能力はそこまで強くないだけだが? 決して我弱いわけじゃ無いし……。上が強過ぎるだけだし……。魔王軍内では一番強いし……。


 その後なんやかんやで城の目の前までたどり着いたわけだが、道中で我は全段命中であったため先が思いやられる。もし海神との戦闘になれば我は戦力外であろう。


 いざ城を下から見上げると、その大きさに絶句する他ない。

 魔王城の数倍は大きいように感じる。あの距離であの存在感を放っていたのだから、そりゃまあ大きいのはわかっていた。

 

「さて、結界内に入るぞ」


「結界か。そう簡単に入れるものなのか?」


「基本的には海の水を防ぐだけだからな。敵対生物はあの防衛設備で焼却される」


 結界と思われる壁のようなものは神の言葉通り、すんなりと通り抜けることが出来た。

 その奥には大きな城門があり、明らかに異様な雰囲気を纏っている。

 この中に入ると思うと背筋が凍る。


 だが我らが中に入る前に、城主と思われる存在が城門を開けその姿を現した。


「……何者じゃ貴様らは」


 眠そうにそう呟いたのは我の想像していた海神とは大きく違う、長身の美女であった。

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― 新着の感想 ―
[一言] まだ戻ってこないのが残念、会いたかった
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