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神……?

「おい! ディアベル!」


 アリサの声が聞こえる。

 しかし体が言うことを聞かない。起きようと思っても力が入らない。


「クソ……こうなったら」


 唇に柔らかいものが当たる。

 そのまま何かが流し込まれて……ってちょっと待て!?


「げほっ」


「起きたか……良かった!」


「くくく口移ししおったな!?」


「しょうがねえだろ緊急事態なんだから」


 アリサはポーションと思われるものの空き瓶を持っていた。

 体力がある程度回復していることから、間違いないだろう。

 生きるか死ぬかの瀬戸際であった以上、アリサを責めることも出来ない。だがやはり何かモヤモヤするのだ。


 回復してしばらく経ち、視界がはっきりしてくる。

 すると目の前にディアウスともう一人謎の人物が立っていることが確認出来た。


「ディアウス、勇者は殺すなと言ったはずだが?」


「興が乗ってしまっただけであろう。そうカリカリするな」


 謎の人物は甲冑を纏っており男か女かさえわからない。

 ただディアウスに臆することなく話すその姿は、まず間違いなく強者のそれである。


「堅苦しいのだ神さまは……私がどうしようが勝手であろう?」


「はぁ……これだからお前を行かせたくなかったんだ。言っとくが、神の使いを殺したのも問題だからな?」


 ディアウスは目の前の謎の人物を神と呼んだ。

 この甲冑を纏っている者が……この世界の神であるというのか?


 神と言うからにはもっと壮大なオーラを放つ者なのかと思っていたが、この人物はどこにでもいそうな見た目をしている。

 もっとも、その内側から溢れる魔力量がただならぬ者であることに違いは無いが。


「ええいごちゃごちゃうるさいのだ神よ! 私の戦いを邪魔するでないわ!」


 ディアウスは神と呼ばれた人物に向かって大きく踏み込み、我とアリサを屠ったその鋭い爪で貫こうとする。

 だが甲冑の人物はいとも簡単にそれを避けると、瞬時にディアウスの背後に回った。

 そしてそのまま手刀を入れる。


 がしかしその攻撃も空を切ることになる。ディアウスは既にその背後に回っていたのだ。

 どうやら一撃を入れられたのは、ディアウスの作り出した幻影であったようだ。


「ふん、甘いな神よ」


「ディアウスこそやるじゃないか」


 両者の間で容赦のない殺意が飛び交っている感覚がする。あの中に入り込んだら殺意だけで押しつぶされてしまいそうだ。


「それでは本題に戻るとするか。……元魔王と勇者よ。我は其方らを殺したいのだが神が許してくれないのだ。どう思う?」


「それを殺す対象に聞くな。あと勇者はまだ必要なんだから殺すな」


 とんでもないことを聞いてきた。殺されたくない以外の答えがあるのだろうか。

 ぜひ殺してください! とでも言うと思っとるのか?


「嫌じゃああ私は殺し足りなくてウズウズしとるのじゃぁぁ!」


 ディアウスはわめき散らしながら飛んで行ってしまった。

 というかこのまま放置しても良いのだろうか。この世界が破壊し尽くされたりしないだろうか。


 彼女の前では恐らく人族の町などあっという間に消し飛ぶぞ。なんなら魔族領すらも。


「血気盛ん過ぎるのも問題だな。で、君たちが元魔王と勇者か。まあ話を聞いてわかってるかもしれないけど、僕が神だよ」


「そ、そうか……。貴様が強き力を持っているのはわかる。だが、だからと言って神であるというのは信用出来んぞ」


「そうだよな。アンタ、本当に神なのか……?」


「まあそう簡単には信用できないよね」


 そう言うと甲冑の人物は、神殺しの剣と同じ見た目の剣を出現させた。

 どこかから取り出したわけでは無い。正真正銘、無から出現させたのだ。


「僕はこの世界をある程度までなら制御できる。物質を出すくらいならこの通りさ」


「確かに言うことは尤もだ。だが似たようなことは錬金術師であれば可能であるはずだ」


「この剣は神の世界にしかない素材でできている。それは君たちもわかっているはずだ」


 甲冑の人物の言う通り、神殺しの剣は神の使いが落とす宝石と同じ素材でできている。つまりは神側の素材が必要なのだ。

 であれば錬金術師には作り出すことが出来ないのか……?

 神殺しの剣を作ることが出来るのなら、神陣営側の存在と言うことは確かとなるのか……?


 何もかもわからないことだらけだが、少なくとも神に関わる人物なのだと言うのはきっと確かなのだろう。

 それに今、この者の言葉以外に頼れるものは無い。

 この者を一旦神として扱う他ないだろう。

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