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オーバーテクノロジーの力ってすごい

「魔王様……どどどどうしたのですかそのお姿は!? お召し物は何処へ!?」


 ライザはアリスと同じような反応をする。

 それもそのはずだ。彼女が幹部となった初日、我に対する目は明らかに獲物を狙うソレであった。


「服が透明になってしまうのだ。気にしないでくれ」


「気にしないでとおっしゃられましても……気にせずにはいられませんよ」


 ライザはそっと、割れ物を扱うかのように我の肌に触れようとする。

 がしかし、実際に服は着ているのでアリスよ同じように疑問を浮かべた表情になった。


「透明になってしまうからと言ってきていない訳じゃないんだぞ?」


「あ、そうなのですね」


「それより新兵器とやらはどうだ。ヤツを倒せるものなのか……?」


「それならばご安心ください。神の使いから手に入れた宝石を使用し、最強の兵器を完成させましたので!」


 ライザは奥にある布を被った大きな何かの前に立つと、徐にその布を引きはがした。

 中に立っていたのは鎧。銀色の光沢が目立つその装甲は、堅牢さを主張しているかのようだった。


「これは……?」


「魔王軍の持つ技術の粋を結集し作り上げたパワードスーツでございます」


「確かに防御能力はとてつもないものを秘めていそうだが、今必要なのは攻撃手段なんだ……」


「心配はいりませんよ魔王様。こちらには多彩な攻撃手段を仕込んでありますので」


 ライザがそう言うのであればきっと心配は無いのだろう。今は一刻を争う緊急事態であり、迷っている暇は無い。


 我はライザの説明を聞きパワードスーツを着た。

 しかしどういうことだろうか。このパワードスーツは透明になってしまったのだ。


「もしや、パワード"スーツ"だからでしょうか……」


「ええい、この際そんなことは気にしている場合ではない。このまま出るぞ!」


「魔王様、どうかご無事で……」


 後にライザはこの時の事をこう語った。『ほとんど裸の魔王様が現れるなんて、自分自身に淫らな夢を見せてしまったのでは無いか』と。





「ディアベル、急にいなくなったから心配したぜ。どこ行ってたんだ」


「新兵器とやらを確認していた。そしてこれがヤツを倒す唯一の希望となるだろう」


「ソイツはすげえな。……ところで、その新兵器はどこに?」


 アリサは当然の疑問とともに、辺りを見回す。

 しかし新兵器を見つけることは叶わなかったようだ。我が透明化させてしまったから当然なのだが。


「今着ている。なぜか服として認識されたらしい」


「そうなのか。気を付けろよ、ディアベル」


「ああ。ここで死ぬわけには行かないからな」


 我とアリサはあまり多くの言葉は交わさずに再びその場を離れた。


 そのまま上空へと向かって飛んでいく。先ほどよりも飛行速度が速いのはこのパワードスーツのおかげだろう。


「また現れたな。そろそろ結界も限界なんじゃないのか?」


 シグマはそう煽る。実際、このままでは結界が破られるのも時間の問題だろう。だから早々に決着を付ける必要がある。


『魔王様、聞こえていますか?』


「ああ」


「それでは説明を続けますね。右腕にボタンがあるのでまずはそれを押してください」


 右腕にボタン……どこだ?


 透明化してしまっているため、ボタンの位置がわからない。


「なあ、透明になっているからわからないのだが……どうしたら良い?」


『そうでした……えっと、では右腕の肘辺りを片っ端から触ってみてください』


 ライザの言う通りに触ってみる。すると、ボタンと思しき突起物が確認できた。


「あったぞ。それで次はどうするんだ?」


『そのボタンを押すと今までよりもさらに強力なレーザーカッターが出ますので、それをお使いください。くれぐれも腕を下に向けてボタンを押さないようにお願いいたします』


 ライザが念を押したので腕を上に向けてボタンを押す。


「ぐえええっぁぁぁああああ!?」


「なんだ!?」


 ボタンを押した瞬間、シグマの絶叫が響く。

 右腕から出たレーザーカッターは想像よりも遥かに大きく、シグマの巨体をいとも容易く貫通していた。


「すごい威力だなこれは……」


 これは下手に使えば魔族領内も滅茶苦茶になってしまうような代物だろう。

 恐ろしいまでに火力が高すぎる……ライザに自由に開発させた結果がこれか。だが、今この状況においてはナイスな発明だぞライザよ。


 この武器があればきっとヤツを倒せる……!

 我の中に、確実に希望の灯が灯った瞬間であった。

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