俺の『アップルパイ』
先日、『おばあちゃんのアップルパイ』(n9192hm著:ひだまりのねこ さん)というエッセイが載っておりました。情感にあふれた素晴らしいエッセイです。
エッセイ好きの方で未読の方はあまりいないと思いますが、読んでいないという方は、こんなものを読む前にまず読んできてください。話はそれからです!
読んできましたね。
では、本題に入ります。
私はアップルパイを作るのが好きです。とはいっても、パイ生地は冷凍パイシートを使っておりますので、なんちゃって菓子職人(?)です。
そもそもパイ生地なんてどう作るのか知りません。仮に知っても、私なんかに冷凍パイシートより良い生地なんか簡単には作れないでしょうし。
こだわりは、紅玉を使うこと。これだけです。
紅玉
紅玉はものすごく酸っぱいリンゴです。私は生食するのも好きなのですが、たいていの人は、こう話すと変態を見るような目で見てきます。そして、「騙されたと思って」と言って生食させると、すごい顔で「本当に騙された!」と怒ります。
ところが、紅玉は熱を加えると、絶妙な味わいになるんです。酸味は和らいで甘味が表に出てくる。しかも、香りはなくならない。やっぱり、料理に使うリンゴは紅玉でないといけません。あ、これは『美味し○ぼ』で知った知識ですw
ちなみに、生食で美味しい、ふじや王林は、熱を加えると、とたんに味がぼやけてしまいます。だから、レモン果汁なんかを加えるわけです。
紅玉にそんなものは必要ありません。リンゴ+砂糖 これだけで絶妙なアップルコンポートが出来上がります。ウソだと思う方。騙されたと思ってやってみてください。こちらは騙しではありません。そして、超絶簡単です。
さて、アップルパイですね。準備する食材は、リンゴ(紅玉)、冷凍パイシート、砂糖、バター、シナモンパウダー、卵(卵黄)。これだけです。その気になれば、前に書いてある3点だけで作れなくもないんですが、今回はバターが必須です。なぜ必須かはわかりますよね。
え、わからないんですか!? わからないあなたは約束を守れなかった人です。
ふりだしにお戻りください。
今回使ったバターはこれです。
50gで約600円(税込)の、高級無塩バターです。
おふらんす産の舶来品ですことよ、あーた。
なんでそんな高いものをわざわざ使ったのか。わかりますよね。
え、わからないんですか!? わかr(以下略)
リンゴとパイシートは買い置きがあります。バターは手に入れました。
さあ作りましょう。
ちなみに、子どもが「お菓子を作りたい」と以前から言っていたので、今日は一緒に作ることにします。
①まずはリンゴの皮を剥きます。
皮が美味しいからつけたまま作る人もいますが、私は食感が気になるのと、別の用途で使うため、皮は剥いてしまいます。
今回はパイにするので薄切りです。コンポートのまま楽しむなら、ざく切りの方が良いと思います。
②色止めのため、剥いたリンゴはすぐに塩水に投入します。
あんまり入れっぱなしだと果汁が抜けますので、面倒がらずにさっと引き上げましょう。
③耐熱皿にリンゴを並べ、砂糖を大さじ5をまぶします。
私はあんまり甘くないのが好きなのでこのぐらいにしておきましたが、大さじ8ぐらい入れても良いかもしれません。この辺はお好みで。また、皮は皿の底に敷きました。
30分ぐらい放置しておくと、砂糖が溶けてリンゴから水分が出てきます。
④ラップをかけてレンジへ
このあと、焼くので、500w5分ぐらいで良いと思います。
で、加熱が終わったら、皮と半量程度のアップルコンポートを取り出して、バターを15g、シナモンパウダーを少々入れて、アップルフィリングを作……。
る予定だったのですが、アクシデントが発生しました。
卵がない!
昨晩、結構残ってたので油断してました。よく見ると、昨日あったはずの6個の卵は、ゆで卵にされて、冷蔵庫の隅で、めんつゆに漬かっておりました。
卵はなくてもパイはできるのですが、あの照りと生地のなめらかな食感は卵黄を塗らなくては出ません。
泣く泣くアップルコンポート状態で、保存用の瓶に入れ、明日まで保管することにします。
アップルコンポート
※皮も一緒に入れてあります。なぜ、皮と一緒にしておくかいうと、皮と一緒にすることでリンゴがきれいなピンク色に染まっていくからです。当然入れなくても味は変わりませんので、白っぽい方がいい人は、皮は別にしてください。そして、なぜか皮も紅玉を使わないと、きれいな色が出ません。不思議です。
※子どもとは、この後一緒にホットケーキを焼きました。予定が変わって怒るかと思ったのですが、上機嫌だったので助かりましたw
さて、翌日です。さっき買ってきたので、今日は卵があります。
さあ作りましょう。
⑤パイシートを解凍します。
といっても、室温で15分ぐらい置いておけば勝手に柔らかくなりますので、あんまり気にする必要はないです。柔らかくなりすぎたと思ったら、また冷凍庫にぶち込んでください。加工しやすい柔らかさになるよう、適当に調整しましょう。
○昨日作ったアップルコンポートの瓶を開け、半量ほどのリンゴを取り出します。
※本来なら必要のない作業なので、番号は振ってありません。
⑥耐熱皿にアップルコンポートとバターを入れ、シナモンパウダーを軽くまぶします。
シナモンパウダーはお好みで。紅玉は薫り高いリンゴなので、入れなくても問題ないんじゃないかと個人的には思っています。
※無かったのがシナモンパウダーだったとしら、間違いなくそのまま作ってました。
⑦レンジにかけて、バターを溶かし、軽く混ぜます。
熱は加わっているので、溶かすだけでかまいません。また、あまりゴリゴリ混ぜると、リンゴが潰れてしまいますので、適度で大丈夫です。
※このあたりから、子どもが作業に加わった関係で、ほとんど写真が撮れませんでした。無念!
⑧パイシートを広げ、麺棒で伸ばします。そして、上側は刻み目を入れます。
最初から切り分けても良いのですが、この先の作業が長くなって、子どもが飽きそうだったので、今回は大きいサイズで作りました。
また、パイシートを麺棒で伸ばしたのは、アップルフィリングを全て盛り付けるためです。量を減らせば、伸ばさなくても作れます(※生地は厚くなります)。
⑨クッキングシートの上にパイシートをのせ、アップルフィリングを盛り付けます。
端の方は1cmぐらいはスペースを空けておきましょう。この部分がないと、パイを閉じられません。
ちなみに、天板部分のパイシートは、切れ込みを入れてありますし、シート自体が結構伸びますから、アップルフィリングはたくさん載せても大丈夫です。今回はリンゴは1個分ぐらいしか使っていませんが、2個丸々使ってもおそらく大丈夫だったと思います。
⑩切れ込みを入れたパイシートを上からかぶせ、端をフォークで押さえて閉じます。
パイの端に、ぎざぎざの波形模様が付いているのは、この痕跡です。
⑪卵黄を刷毛でパイに塗ります。
この卵黄が、パイの照りになります。塗らなくても問題ないという人もいますが、やっぱり塗らないと『パイ!』って感じにはならないと私は思います。
⑫余熱した200度のオーブンで20分焼きます。
完成!
子どもの手が入っているので、ゆがんでいるところもありますが、大目に見てやってくださいw
ちなみに、うちの子ども、市販のケーキとかパイとか、出しても結構残す(特に生クリームとスポンジ部分)んですが、これは完食しました。
私自身の感想としては、「美味い!」これだけです。
いいバターを使ったので、心なしか上品な味わいになった気はするのですが、比較対象がないので、どれくらい美味くなったのか、よくわからないのが残念です。
まだバターは半分以上残っていますので、次回は、アップルフィリングを作る段階で、おふらんすバターと、雪○切れてるバターの2種類で作って、食べ比べてみるのも一興かもしれません。
使った食材
紅玉:2個(パイにしたのは一個ちょっと)
冷凍パイシート:2枚
砂糖:大さじ5(リンゴ2個分)
バター:15g
シナモンパウダー:少々
卵:一個(卵黄のみ)