表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/31

四話:現実世界の理念は通用しない。

2025/8/1 追記)内容を再考して若干変わっているので、是非第1話から読んでみてください!

「転生者様…?」

無言で頷く。

「私達、死ななくてすむんですか…?」

「あぁ。」

「犯されなくて、すむんですか?」

「勿論、オークは死んだ。」

彼女の瞳から一筋の涙が零れ落ちたのは間もなくのことだった。

彼女たちはお互いに身を寄せ合い、無事であったことを喜び合っている。

俺はただその姿を少し離れた場所から見守っていた。

そう表面上は冷静だった。

内心はバカ焦りだこの野郎。

考えろ全国の読者!

生前、家族を除いてちゃんと話せた女子一人の俺には

この場面はハードル高すぎるんだよ!

うわぁ~!

対処する方法が分からないので俺は泣き終わるまで、オロオロする結果となった。

「すいません。取り乱してしまって…」

「いやいいよ。仕方ないし。」

そりゃあ、ついさっきまで命の危険があったんだから仕方ないよな。

「取り敢えずさ?ここから出ようよ。」

「そう、ですね。」

「早く行きましょう。」

3人で洞窟を後にする。

(オークに殺された女性達は、ちゃんと埋葬しました。)

ちなみに出る最中に何とか聞くことができたが、

あの2人の名前は、姉がスズカで妹がリンネらしい。

──────────────────────

「なぁ、あんな危険な場所にいた理由を聞いてもいいか?」

さっきから思っていた疑問だった。

だって、わざわざ死ぬかもしれない所に普通行かないだろう。

「先ほど、埋葬した人達いましたよね…?」

「あ、あぁ。」

思い出すだけで背筋が凍る様な感覚に襲われる。

死体を埋葬したのも死体を見たのも人生で初めての体験だった。

「あの人達、盗賊だったんです。」

「え?」

盗賊?!

「あの人達は、あそこの洞窟を拠点として行動していて…」

「私達の村によく乗り込んできてたんです。」

彼女達の話をまとめるとこうだ。

あの盗賊団はこの地域に住み着く犯罪集団だったらしく、

近隣の村などに攻め入り、金品などを搔っ攫っていっていたらしい。

彼女達の村にも定期的に攻め入ってきていて、とても危険で迷惑な集団だった。

そんなある日、また盗賊団が攻めてきて大人たちが交戦していた。

彼女らの父親も守るために戦いに出ており、盗賊団を食い止めていたらしい。

しかし、その日の盗賊団は何かがおかしかった。交戦中の村人を殺害したのだ。村のために戦っていた大人たちは抵抗するも虚しく、彼女らの父親含め全員が殺され、家に避難していた大人も全員殺された。

そう、彼女達は多くの村の子供たちと同様に両親を1日でなくしてしまったのだ。

この姉妹は、盗賊に捕虜として連れて行かれ気付いたらこの洞窟にいたらしい。

「どの世界でも盗賊ってのは危険なんだな…」

その話を聞いて俺はゾッとした。

日本では盗賊と言われる者はあまりいなかったが、異世界となると話は変わってくる。

ここは別世界。日本の常識は此方の世界では通用しない事を改めて実感した。


するとリンネが俯く。

「すいません。ヤマトさん。」

「どうか、私たちも旅について行かせてください!私達にはもう....

居場所がないんです!」

「「お願いします!!」」

彼女たちが頭を下げてお願いしてくる。

「えー?!」

どうしよう。困ったことになったぞ...?

読んで頂き、ありがとうございます!

下の星とブクマをしていただけると、

作者の励みに繋がります!

宜しくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ