二話:チュートリアル
2025/7/30 追記)内容を再考して若干変わっているので、是非第一話から読んでみてください!
ピカッ─────────────────!
「ここは…?」
目を開けた先には、いつまでも続いていそうな草原が一面に広がっていた。
(天界では、流石にないか。)
転生したんだな。俺。
転生したことはいいが、1つ重要な点を忘れていた。
「ここ、どこだ?」
"俺、この世界のことを何も知らない件について。"
拝啓 父さん、母さん。
大和です。まさかの転生して数秒で2回目の人生詰みました。
どうすればよいのでしょうか…
なんて茶番は置いといて。
「取り敢えず、近くにある街まで行くか。」
ふと、ポケットに手をいれるとA4サイズくらいの紙が折り畳まれて入っていた。
地図だろうか。
そう思って広げてみると、紙に書かれていたのは見覚えのない土地の地図だった。
「ラッキー!これで何とか野宿は避けられそうだ。」
それを元に町を探していると、近くの所に赤いピンが落ちた。
「ん....?なんだこれ?」
《ア…あ…聞こえるかしら?》
急に頭の中に直接喋りかけられてきている様な感覚に襲われる。
「だ、誰だ?!」
初めての感覚にとてつもない違和感を覚え、内心冷や汗をかいた。
《はぁ...つい数分まで話していたのに、もう私を忘れたの?》
「その声、もしかしてドーミナ様?」
《忘れられていなくてよかったわ。まずは、その地図の説明をする前に今こうやって話せている理由を話すわね。》
「あ、はい。」
《これは"心話"と言ってね?私達神はある条件を満たさない限り現世に姿を見せることができないの。》
神様にもそんな縛りがあるのか、大変だな。
《この力はそんな誓約の対抗策として作られたのよ。神託を聖女に伝えるときにも使うものね。》
そんな大そうな代物を、こんな簡単に使っていいのだろうか。
しかもコイツ、聖女への神託に使うって言ったぞ...
《で、話を戻すけど、その地図に赤いピンが落ちてるでしょ?》
「はい。」
《そのピンが落ちた場所には、イベントが待っているわよ。》
「イベント…?」
《えぇ。そこには必ずイベントが起こるの。それが良い意味なのか悪い意味でのイベントなのかは
行ってみないとわからないけどね。》
「そうなんですねー。」
イベント──。そう言われても今一ピンとこないな。どれくらいの事が起こるのか想像もつかない。
取り敢えず、このまま野宿はしたくないから近くの街に向かうとしよう。
ついでにこの平原から街までの間にある、森林に赤ピンが立っているので試しに寄ってみるとするか。
「ドーミナ様、自分はピンに向かってみようと思います。では、また。」
《あ、ちょっと待ちなさい!》
「な、何ですか?」
大きな声を出さないでほしい。頭がかち割れそうになるくらい痛いし、単純にびっくりして心臓に悪い。
《試しにさ、ゲートボックスって言ってみて?》
「ゲートボックス?」
《そうよ。》
「げ、ゲートボックス。」
言われたとおりに言葉にすると、目の前に異空間の入り口のようなものが出てきた。
《成功ね。その中には色々な物を入れる事が出来るわ。》
「おぉ~。異世界っぽい。」
これも魔法の一つなのだろう。やはり異世界。侮れん。
《試しに、「出てこい!聖剣」って言ってみて。》
「出てこいー聖剣。」
言われたとおりに言葉にすると
なんてことでしょう?!目の前の入り口から、超高級そうな1本の剣が出てきた。
「こ、これは?!」
禍々しい独特のオーラを放つ、目の前の剣に今にも圧倒されそうだ。
《それは、聖剣:オルメイツライナー。私からのプレゼントよ。是非使ってみて。》
まさかの初期武器、聖剣。
えっぐ…マジチートやんけ。
「まぁ、お言葉に甘えて使わさせて頂きます。」
《気に入って貰えてよかった。じゃあ、私はこれで。新しい人生楽しんで!》
その言葉を最後に、頭に響いていた女声が消える。
「まぁ、取り敢えず行くか。」
俺は森に向かってゆっくりと走り出した。
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