二十七話:仲間割れ
「本来だったら、こんなことにはならなかったのに…」
「はぁ…」とドーミナはため息をつく。
「ど、どういうこと…?」
ヤマトは恐る恐る尋ねる。
「君がこの世界に来てから、未来が変わってしまうかもしれないの。」
「え?」
「本当だったら、君はこの世界で勇者として、
冥王を殺さなければならなかったのに。」
「勇者?殺す…?」
ヤマトは何を言っているかが理解できなかった。
「そういうことか…。」
「!」
これまで、ずっとドーミナの話を聞いていた、
アネットが口を挟む。
「あら、察しがいいのね?」
「おかしいと思ったんだ。そもそも一人の転生者に聖剣を渡すなんて、普通はしないだろう?」
「フフッ、確かにそうね。」
ドーミナが笑いをこぼす。
「そうなのか…?」
何が何か分からないヤマトは、もう聞くことしかできなかった。
「お前、一体何者だ?愛神じゃないだろう?」
アネットが確信をつくかのような、口調で
ドーミナを睨みつける。
「そこまで言うなら仕方ないわね…あぁ〜
これじゃあの御方に怒られちゃうじゃない。」
「擬態解除。」
その言葉と共に、ドーミナの姿が黄金の色に
光り始めた。
「眩しっ────!」
ヤマトは目を瞑る。
「やはりそうだったか…、破壊神。」
「え…。」
「そんなに言わなくたっていいじゃない。
酷いわねぇ〜。」
目の前に現れたのは、先程まであった優しそうな雰囲気は消え失せ、殺気が体中から溢れ出ている
女性だった。そして、さっきと違うと言っても良いほどの変わった点がある。
「その剣…!」
アネットが絶望な表情に変わる。
「この剣?この剣はね、神剣ダーインスレイヴ。君の横に立ってるアネット。いや、オリジンの上の存在にある剣なんだよ、ヤマト君。聖剣と違って、神器は神にしか扱えない代物だからね。」
ドーミナは笑顔で語りかけてくる。
それに対し、ヤマトは表情が強張っていた。
「ほらさ、ヤマト君。もうやめにしない?
私の言うこと聞いて、素直に第二の人生を歩まない?」
「…!」
ヤマトの表情に生気が少し戻る。
「やっぱ──」
バン!
「!」
「しっかりしろ、ヤマト!」
いつの間にかヤマトの横には、殺気を纏わせた、一人の少女が立っていた。
「アネット…」
「何を弱気になっている?確かに、相手は神の中でも、最上位級に強い破壊神と神器の中でも、上位を争う強さを誇るダーインスレイヴ。普通なら
勝機を失うだろう。」
「…」
「だけど、お前は違うだろ!」
「アネット…!」
「お前には守らなければならないものがあるんじゃないのか!」
「…!」
ヤマトが目を見開く。
「お前のあの二人への思いはそんなものだったのか?なんなら辞めてしまえ!あの二人が可哀想だ。やるなら最後まで男になれ!」
「…俺だってあの二人を助けたい。だけど、もう無理だ。どう頑張ってもドーミナには勝てないんだよ!!相手は破壊神に神器?ここで勝機があると思ってる奴はただの馬鹿だ!」
ヤマトは思わず自分の思いが口から飛び出てしまった。
すると、アネットは下を向き…
「私は聖剣だ。そんな心の弱い所持者など不要。今すぐ立ち去れ!」
ヤマトに衝撃な事実を叩きつけた。
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