二十一話:真夜中の決断
スズカは悲しそうに辛そうな表情を浮かべて、
過去を話してくれた。
要約するとこうだ。
スズカとリンネには兄がいたらしい。
その兄が家を継ぎ、王となる1ヶ月前のこと。
突如、兄が急死したそうだ。
死因は毒による、暗殺。
犯人は兄に恨みを持っていた身分の低い貴族という
名目のもと、この事件は幕を閉じたらしい。
しかし、二人はこの事件の真実を知ってしまったのだ。ある日二人が厨房で料理していた時、遠くから話し声が聞こえてきたそうだ。その会話をしていたのは
この国の公爵家の長男:カデナと選抜隊(この国の王族護衛用軍隊)隊長:ダイゴ。話していた二人は厨房に人がいることに気づいていなかった。
そして知ってしまった。
二人が王族暗殺事件の犯人であることを。
その事実に怖くなった二人は、一緒に秘密裏に逃げたそうだ。しかし、途中で公爵家の兵にたまたま見つかってしまった為に襲われ、末に行き着いた先が出会ったあの洞窟だったのだ。
「そんなことが…」
聞いたとき、ヤマトはその話の闇の深さに圧倒された。自分と同じくらいの年齢の女の子が、こんなにヤバい悩みを抱えていたことに。
「一つ質問良い…?」
「どうぞ。」
「俺と最初会ったときに行ったあの村は?」
「あの村は幻覚魔法で、そういう風に見せられているものです。王族の中で決められた秘密の一つですが…」
「あぁ、そういうことね。」
「で、スズカはどうしたいの?」
「え?」
「だって、何かしら俺にしてほしいからベランダにいたんじゃないの?」
ヤマトはスズカの心裏を読んでいた。
そして、この問はこれからのヤマトとアネット、
そして自分達の未来がかかっていることをスズカは理解していた。
「私は…」
「私は、いや私達は二日後に結婚式を行わなければならないんです…。」
「ですから、お気持ちだけありがたくいただきます。」
「…」
「ヤマトさん、お元気で。」
「二日後か…」
「…?、何か言いました?」
「いや、何も。ただ言えることがあるとすれば──」
「?」
「この国を出る準備はすませておけよ?」
「!」
スズカが驚いたような表情を浮かべる。
「じゃあな。」
「や、ヤマトさん?!」
ヤマトは争いが絶えない真夜中へ姿を消した。
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