十九話:死夜のデート(?)
「お、オリジーナ…?」
ヤマトは聖剣にもう一度聞き直す。
「だから、そうだと言っているだろう…。
私の名はアネット・オリジーナ。アネットでも、オリジーナとでも呼べ。」
アネットと呼ばれた女性は、ヤマトを呆れ半分で
見つめてくる。
「本当にあの聖剣なのか…?」
「あぁ。これはリユニオンと呼ばれる変身魔法でな。剣だとバレないようにするためには、この姿の方が都合がいいからな。はやく慣れるようにしろ。」
最初は半信半疑なヤマトだったが、この口調と上から目線で、目の前のアネットが聖剣だと言うことをようやく理解できた。
「それで、ここからどうやって出るんだ?」
ヤマトは檻を見渡すが、脱獄出来そうな隙間等は
見当たらない。
「何を言っている?ここを壊すに決まっているだろう。」
アネットが勢いよく指をさす。
ヤマトはそれにつられる様に、指さした場所を見た。それとは…すなわち壁だった。
「は…?」
「だから壁───」
「いやいやいや。壊せないから!しかも、壊したとしても音でバレるから!」
「その点なら大丈夫だ。私が少し力を加えたら、ここの壁なんて砂単位レベルで砕けるぞ?
しかも仮に音でバレたとしても、すぐ逃げればなんとかなるだろう?」
いかにも当たり前の様に言っているが、この壁は
黒曜石レベルで硬い(あくまでも主観)ので、普通は砕けるはずなんてないのだ。
これを砕けるのは聖剣レベルの剣でなければ、
斬る(?)ことはできない。それを忘れている
アネットも少しアホだった。
「じゃあ、いつするんだよ。」
もうそろそろ、深夜0時ぐらいだろうか?
窓がここにはないため、ヤマトは時間を把握することが出来なかった。
「ん、今に決まっているだろう?」
「え」
「創造反転」
その突如、壁が爆発音と共に姿を消す。
「はぁ────!!!!???」
思わず素っ頓狂な声を上げるヤマト。
その手を引っ張りながら、楽しそうに走るアネット。
これを見た衛兵は後にこう語っている。
「【死夜のデート】と。」
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