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一話:天界そして転生

2025/7/29 追記)内容を再考して若干変わっているので、是非第1話から読んでみてください!

ここには何もない。ただ暗闇の中で一人彷徨っている。

さっきまで何をしていたのかも、何故ここにいるのかも分からない。

ただ、前に進んだほうがいい気がした。


あれからどれだけ進んだだろう。本当に方向はあっているのだろうか。

いくら進んでも全くと言っていいほど変わらない景色。少し血生臭い感じの匂いと共に永遠と広がっている。

とうとう歩き疲れてしまった俺はゆっくりと倒れこみ、その場で眠りにつく。

「いつになったら着けるのだろうか。」なんて考えている体力もなくそのまま意識は遠のいていった。


「あ!やっと見つけた!」

眠りについている大和のはるか上空でのこと。

一人の女が肩で息をしながらそう叫んだのだった。

──────────────────────────────────

どこからか光を当てられているのだろうか。外がとても眩しい。

「ん…ここは?」

ゆっくりと目を開けばそこには知らない景色。

俺ってアイツに刺されて死んだ....よね?

「はあ、やっと目が覚めた?」

頭上から突然声が聞こえ、ゆっくりと顔を上げると

そこには背中に白い羽の生えた綺麗な女の人が椅子に座っていた。

見た目は20歳くらいで金髪の女性。

スタイルはグラビアアイドル顔負けで、所々素肌が見えているせいか独特の色気を漂わせている。

仮にも高校の友達に会わせでもしたら鼻血確定演出(大喜び)だろう。

「貴方は…?てか、ここ何処?」

全く今の状況が理解できない。

「まぁ当然の反応よね。」

うんうん、とその女性は頷いている。

頷かなくていいから、早く事情説明して?!

「取り敢えず座りなさい。」

「あ、はい。」

どこからともなく出現した椅子に座り、取り敢えず向き合う形になる。

「あの、貴方は誰ですか?」

いや、割とマジで誰なんだろうか。

「私は、愛神:ドーミナよ。」

ドーミナと名乗ったその女性は「フンッ...!」と胸の前に拳をあて、胸を張ったような動きをする。

「愛人…?」

誰の愛人?もしかして親父か?

「違うわ!愛人じゃない。愛する女神、愛神よ。」

そっちね、紛らわしいなあ。

「読み方一緒じゃないですか。」

「そうだけど…」

「更にドーミナって確かラテン語で、愛人って意味ですよね?」

「ぐぬぬぬ。」

今にも泣きそうだぞ、この女...

「そんな睨まなくても…」

「貴方が意地悪するからじゃない!!」

「意地悪って…」

いかん。このまま泣かれたら話が進まねえ。

「あの、そんなことよりここ何処ですか?」

周りを見渡すと一面にお花畑がどこまでも広がっているが、人影は見当たらない。

「ここ?ここは天界よ?」

てんかい?え。てんかいって天界?!

「天界?!じゃあ、マジで俺、死んだんですか?」

「えぇ。」

「そんなぁ…」

思わず落胆する。

だってまだ十何年かしか、生きてないんだし。

「でも、大丈夫よ?」

「何が大丈夫なんですか?!」

死んで、大丈夫って何?!

「だって貴方、転生できるのよ?」

「転生…?」

「だって、貴方が死んだ理由、私のミスだし。」

「え?」

「本来だったら、貴方の横にいた女の子が死ぬ予定だったのよ?」

「千瀬が?!」

「えぇ。」

な、なんで千瀬が…

「残念ながら神会で決まってしまったのよ。」

「え?」

「本来なら、彼女には私の天使になって貰う予定だったの。」

「天使…?」

ドーミナが言ってることを要約するとこうだ。


1.神が集い話し合いや決め事を行う場、通称:神会で次の愛神の天使となる死者を決定することになった。

2.その場にて偶然にも千瀬が選ばれたが、千瀬はまだ生者だった。

3.そのため、彼女を天使とするために殺さなければならなくなった。

4.そこで嵐堂と俺らを接触させ、俺がお腹を痛めている間に千瀬を殺すつもりだった。

5.しかし何故か知らないが、横にいた俺が刺された。

6.ドーミナ焦る。

7.そんなドーミナが焦っている間に俺の魂が冥界に転送。

8.now

って感じ。

「で、俺どうするんですか?」

千瀬を殺そうとしたことも、俺が死んだことも許せないが死んでしまったからしょうがない。

ここから俺はどうなるのだろう。

「だーかーら!言ったじゃん。異世界転生って。」

「じゃあ、そこんとこ宜しく~」

そう言いながら俺を異世界に飛ばそうとしてくる。

「ちょ、ちょっと待てぃ!」

急いで魔法らしきものを唱えようとしている馬鹿女神の頭をシバく。

「い、痛ぁっ?!」

余程会心の当たりがしたのか、涙目でこっちを睨んでくる。ごめんて。

「異世界転生する前に、無茶ぶり聞いてよ。」

「む、無茶ぶり?」

「だって俺、死んだのアンタのミスでしょ?」

「そうだけど…」

「何の償いもしないまま、飛ばすのはおかしくない?」

「確かに…」

「って事だから無茶ぶり聞いてよ。」 

「....今回だけよ?」

「じゃあ、一つ目!チート能力頂戴?」

「チート能力?それくらいならいくらでもあげるわよ別に。」

「#@*:!…_⊿☞〓⊿◦⊿◁▽◇◑◐□△!!」

マジで何言ってるかわかんねー、よく分からん呪文を唱え始めた。

「はい、できた。これで異世界に行ったときに強い能力が付くわよ。」

「おぉー!」

某転生系アニメのスライム主人公みたいに強くなったのだろうか。

とても楽しみだ。

「で、2つ目は?」

「2つ目は、たまにで良いから、異世界と現実世界を往来させる権利が欲しい。」

「んー、まぁいっか!」

少し悩んでいたようだが、決心してくれたらしくあるものをくれた。

「はい。これあげる。」

渡されたのは一枚の紙のようなものだった。大きさ的に言えば名刺くらいのサイズ感だろうか。

「これに何か念じたら、私と会話繋がるから。」

「へぇ~。」

一見、普通の紙にしか見えないが、そんな凄いものなのか。

「もう、良い?」

「あ~後…」

俺はそのあと何個かお願いをした。

「これで全部?」

「うん。」

「じゃあ、また会いましょう。」

「じゃあね。」

その言葉と同時に、俺の周りをどんどん明るい光が浸食していく。

最後に天界で見たのは、ドーミナが手を振る姿だった。

楽しみだな。新たな生活は!

読んでくださいありがとうございます。


ドーミナに無茶ぶりした内容を全部は明かしていませんでしたが、今後ちょっとずつ明かしていこうと思います。

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