十八話:再びの別れ、新たなる驚き
ヤマトは必死に体を動かそうとするも、体全体が悲鳴をあげていて動けなかった。
「リンネ、スズカ…気をつけろ!」
(来る────!)
思わず、三人は目を閉じる。
「あ、いたぞ!奴を捕らえろ──!!!」
目を開けたそこにいたのは、どこかの国の衛兵のような格好をした兵士100名程だった。
ヤマト達はその兵士に囲まれ、槍を向けられていた。
「お前等は、誰だ…?」
声が掠れた状況で、ヤマトは必死に喉を動かす。
「黙れ、反逆者が。私は選抜隊隊長のダイゴ。そこにおられる第一王女、第二王女の保護を命じられてきたのだ。」
「第、一王女?第二、王女?」
ヤマトは何を言っているか分からない様な素振りで聞き直す。
「そうだ。そのお二方は、王族であられるぞ。
お前如きの愚民が近づいていいお方ではないのだ!」
明かされていなかった身分に対し、ヤマトはゆっくり後ろにいる二人を見る。
すると、スズカは
「すいません、黙っていて…」
と、申し訳無さそうに謝る。
リンネは何か事情があるのか、先程から話しているダイゴと名乗った男を睨みつけている。
「スズカ殿下!そんな者に、謝るなど…!」
「そうです!」
他の衛兵達はザワザワと、スズカの謝罪を批判(?)する。
「おい愚民よ。お前は王女二人を誘拐、監禁したという罪で投獄する。大人しく、こちらに来い。」
ダイゴは鋭く尖った槍を向けてくる。
「投獄なんて!」
「そんなことしてないです、ヤマトさんは!」
ヤマトの身の潔白を証明しようと、二人の王女が
各々に意見を発するも
「お許しください、これは決定事項なのです。」
「おい、連れて行け!」
ダイゴの後ろで控えていた、二人の衛兵はヤマトを持ち上げ迷宮の入り口へ向かっていく。
「ヤマトさん───!」
スズカの叫ぶ声が聞こえるも、ヤマトの意識はここで途絶えた。
──────────────────────
ヤマトが目を覚ました場所は迷宮内でもなく外でもなかった。そう、牢獄だったのだ。薄暗く、不衛生な牢獄の中に一人閉じ込められていた。ヤマトの持ち物は全て、奪われており、唯一あるのは何重もの鎖で巻かれている
聖剣だけだった。
ヤマトは、まだ完全に動いていない体を起こし、
辺りを見渡す。
「見た感じ、誰もいないな…。」
衛兵一人もいなく、また同じく牢獄の中にもいなかった。
その時、ヤマトの頭の中に声が響いた。
〔おい、大丈夫か?〕
〔オリジン?!〕
〔すまない。久しぶりの戦いだった為に、力を使いすぎてしまったようだ。〕
〔そうか…〕
〔…ここから出たくないと思わないのか?〕
〔──!出る方法があるのか?〕
〔あるとも言える。〕
〔頼む、教えてくれ。〕
〔じゃあ、一つ問う。〕
〔なんだ?〕
〔お前はここから出てどうするんだ?〕
〔それは…〕
〔あの女達に会わず逃げるのか?それとも無望ながら敵陣に突っ込んでいくのか?〕
〔…俺は取り敢えず、もう一度あの二人に会いたい。それからのことはその時に決める。〕
〔フッ、いい答えだ。〕
〔ヤマト、我を握って力を込めろ。〕
〔わ、分かった。〕
ヤマトは言われるがままに聖剣を握り、力を込める。
すると聖剣は眩い光を放ち始めた。
「な、何だ!?」
眩しすぎて、思わず目を閉じる。
「聖女体装」
その言葉と共に辺りは光に包まれた。
2分ぐらい輝いていた光は徐々に収まり、目を開けられるくらいまでは弱まっていた。
ヤマトは恐る恐る目を開けると、そこに立っていたのは聖剣ではなく、自分より少し身長の低い
ハーフアップの髪型をした女子だった。
「え、誰…?」
心と口が繋がったかのような声を出した。
「はぁ…失礼な奴だ。私を見て分からないのか?我の名はオリジーナ。あの聖剣だよ。」
と、謎の女子はヤマトの前に姿を現した。
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