十五話:初陣
─ヤマトside──────
目を開けると、そこには血塗れの状態で剣を構えていたハルキの姿があった。
(俺、戻ってきたんだ…。)
自分の姿を見るとハルキ同様血塗れにはなっていたが、痛みは何故か感じなかった。
(なんでだ?もしかして出血多量が原因で神経細胞が死滅したとか…?)
思わず身震いする。そんなことあってほしくないし、考えただけで気持ち悪くなってきた。
〔安心しろ。そんなことはない。〕
「?!」
頭の中に直接声が聞こえた。一瞬驚きを隠せなかったが、その声には聞き覚えがあった。
「オリジン?!」
声に思わず出してしまった。
〔これからはこうやって会話するから、覚えておけ。それと、わざわざ声に出さずとも心の中で念じれば自然に会話できる。〕
「そうなのか?」
〔やってみろ。〕
オリジンに言われた通り、心の中で念じてみる。
〔あ、あ──聞こえる?〕
〔大丈夫だ。〕
〔良かった…。〕
〔あと、痛みが感じないのは聖剣之加護の能力の一つだ。〕
〔そうなのか…?〕
〔あぁ。嘘をついても意味が無いだろう。〕
〔そうか…〕
〔そんなことよりも取り敢えず今は目の前の怪物に集中しろ。〕
〔分かった。〕
念話を終わらせ、ハルキを見据える。
「お前はもういいよ。」
「なんだと…?」
ハルキは瞼をヒクヒクさせながら俺の発言に対し反応をする。
「だから、もう終わりにしよう。お前は奪いすぎたんだ。大切な命を。」
「…前言撤回だ。お前は勇者でも英雄でもない。偽善者だ。ここで排除しなければ、冥王様の脅威となる。」
お互いがお互いの剣をもう一度強く握りしめ、
相手を見据える。
1秒。
2秒。
3秒…
張り詰めた空気の中、僅かな呼吸音のみが音を発していた。
〔ヤマトこの技を使え。そして敵を殲滅しろ!〕
〔技?〕
〔─────────。分かったな?〕
〔ありがとな、オリジン。〕
〔フン、こっちもそうしてもらわないと困る。〕
ダ────ン!!!!
同じタイミングで走り出す。
相手の心臓めがけて剣を振りかざし、
「漆黒乱舞激・創造!」
「覇気晦冥練磨!」
同時に莫大なエネルギーを持った剣同士が重なり合い、周りにあるものを破壊していく。
「ヴォォォォォォォ────!!!!」
「ハァァァァァァァァァ───!!!!!」
何度も何度も剣を振るう。
ガンキンカン─────
大きな金属音がエネルギーと共に響き渡る。
〔行け!ヤマト。我の所持者としての初陣を上げるぞ!〕
「あぁ!」
更にオリジンに力を入れる。
「クッ…!」
ハルキが一瞬怯む。
「ッ─そこだァ!!!」
その一瞬の隙を見逃さなかった俺は、ハルキの胸に剣を振りかざした。




