十一話:猛者との死闘
(お、重い!!なんて威力だ…)
ハルキと俺の剣が瞬間的に激しく交差する。
(このままじゃ、絶対に俺の方が力尽きてしまう…)
どうにかしなければ。と、思った瞬間俺の体は浮遊感を感じた。
「え?」
そう、俺は吹き飛ばされていたのだ。ハルキの大剣によるフルスイングによって──
(ヤバイ?!壁にぶつかる!どうにか、受け身をとらなければ…!)
咄嗟に受け身をとろうとするが、その前に背中に凄い衝撃が加わる。
「かはッ──!」
口から勢いよく血が出る。
「ゴホッゴホッ! ハァハァ…」
(左肩の関節が外れた…。どうにか、立て直せるか…?)
立とうとするも、足に力が入らない。
なので、剣を支えに立ち上がった。
「ほぅ…この攻撃を受けてなお、立ち上がるか。」
「ッ、体の丈夫さには定評があってなぁ…」
「ハハハハハハハハハハ!面白い、面白いぞ!これだけ、楽しめそうな戦いは340年前の勇者との戦いぶりだ!」
「…じゃあ、その勇者さんとの戦い以上に楽しませてやるよ。」
深呼吸をして、
この世界に来てからあった、体の中のモヤモヤを
体中に巡らせる。
すると、体がどんどん熱くなっていく。
体調不良ではなく、逆に体が軽くなった気分だ。
すると、ハルキは驚いたような表情で言った。
「その体から溢れ出している闘気!そして、そのさっきからヒヤヒヤさせる剣!そうか…お前が!」
「意味が分からない…。いったい何のことだ?」
「前に、冥王様が仰っていたのだ。この200年以内に、我が国に脅威となる存在と、革命を起こし、この国を素晴らしい方向に引っ張っていく存在が現れると!」
そして、ニヤッとした表情で叫ぶ。
「お前の力量、見計らってやろう!」
「…ッ、やってみろ!」
同時に剣を構え、走り出す。
カン!キン!カン!
何度も剣が交差する。
「何か、技は持っていないのか!」
剣と剣が交差している中、ハルキは話しかけてくる。
「技…?」
そんな代物は持っていない。
ならば、作り出せば良い。この場で!
「良いぜ…!お見舞いしてやるわ!」
「受けとめてやるわ!」
「これで、どうだぁ!昼夜明光斬り!」
綺麗な曲線が、ハルキの大剣をめがけて飛んでいく。
カン!!!
一瞬、ハルキが怯む。
(今だ!この怯んだチャンスを逃すな!
今出せる最高威力の技を繰り出せ!
現実世界にいたときの経験を生かすんだ!)
「漆黒乱舞激・炎!」
聖剣を即座に構え直し、ハルキの大剣を押し返す
ように、空中で舞う。ハルキの大剣と俺の聖剣が何度も何度も交差し、火花が飛び散る。
すると、大剣にヒビが入る。
「そこか!、うぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「ぐぬぁぁぁぁぁ!!!!!!」
どんどんヒビが広がってゆく。
パキンッ───!
ハルキの大剣が真っ二つに割れる。
「なっ!!!!!!」
すると、ハルキは俺の剣を、折れた剣で受け流し、持ち手の着いた剣を投げる。
(どこに投げたんだ…?)
投げた方向を見ると、そこにいたのは…
「逃げろ───スズカ、リンネ!!!!!!」
その瞬間、折れた大剣は、二人の体を貫いた。
~今回放ったヤマトの技について~
〈昼夜明光斬り〉
剣に、聖属性の魔力と闇属性の魔力を、同時に同じ比率で流し、曲線を描くように切る技。
魔物と、天使へのダメージが高い。




