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エピローグ

「いやぁ……何だ?お前等想像力豊かすぎだろ?ちょっと引くわ」


 ミアを抱えて先行して戻っていたリオと合流した、電車でゆっくりと帰ってきた佑達に対してリオは第一声で言い放った。


「氷室アヤを殺したのは私だ、って情報しか言ってないのに、何でそこから、氷室王国の第一子が実は生きていた上に秘密裏に王国で飼われていて、その正体が私!ってな結論になるんだよ?普通に考えておかしくね?」


 何も言い返せずに、全員無言で視線をそらす。

 シノに至っては、そう言いだした張本人なためか、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。


「だ……だったら、その強さは何なんスか!?どう説明するっていうんスか!?」


「いや、普通にメイドとしての才能があったんだろ?私に。それ以外に何の説明が必要なんだよ?」


 必死に抵抗したシノだったが、あっさりと正論をぶつけられて再び黙り込む。


「じゃあ、容姿や性格が氷室アヤにソックリって部分はどうなのよ?私は会った事ないから知らないけど、姉さんは実際に見た事あるのよ!」


「オイオイ……氷室アヤが佑を連れて行方不明になったの何年前だと思ってるんだよ?その記憶って本当に当てになるのか?そもそも、こんな顔のこんな性格のヤツなんて、探そうと思えばごまんといると思うぞ」


 姉であるシノを助けようと真弓が反論するが、それもあっさりと正論を返され黙り込む。

 ただ一人佑だけが「やっぱそうだよね!」みたいな顔をしていた。


「それと何だっけか?真実を知られた事で私が逆上するかもしれないから、ある程度の戦力集めて行動してた……だっけか?」


 リオによる精神攻撃はまだ続く。


「冷静になって考えろよ?そもそもで私が黙ってた真実は既に、そこのワンちゃんにバラされてるんだぞ?逆上して暴れるなら、とっくにその時に暴れてるっての」


「わかってる……わかってるよ!俺が悪かった!だからもうその話題は言わないでくれ……」


 リオが暴れるかもしれない案を発言した壬生は、耳をおさえながらうずくまり、自分の黒歴史を突きつけられたような反応をして絶望する。


 ある程度言いたい事を言い終わったリオは、全員を見渡し、一つ大きなため息をつく。


「さて、それじゃあ本題だ……佑!」


 名前を呼ばれた佑は視線を上げ、リオを直視する。


「心の整理は済んだか?さっきから言ってるが、私がお前の母親を殺したってのは間違いじゃない……それで?お前はどうしたい?このまま私を護衛としてそばに置くか?顔も見たくないか?それとも殺したいか?」


 リオの表情は真剣だった。


 佑にとっては実感のなかった母親の死。

 実はまだ生きていて、あの隠れ家で生活しているんじゃないかという想いはあった。


 しかし、そんな想いは、今日あの隠れ家を見て消し飛んだ。

 佑が最後に見た光景と同じ家具の配置。そして、生活感がまったく感じられない室内。埃のたまった床やテーブル。

 母親はもういなくなったのだと実感した。


 そして、その時思った事を純粋に思い返す。


「母さんが死んだって事は正直悲しいかな……でも、母さんを殺した人に復讐したいとかいう想いはわかない……かな」


 佑はゆっくりと喋り出す。


「亡骸を見たわけでも、葬儀をしたわけでもないから『死んだ』っていうよりかは『いなくなって二度と会えなくなった』って感覚の方が近いから、そう思うのかな?」


 全員が黙って佑の発言を聞く。


「それと、母さんを殺したって自称してるリオちゃんが悪人に思えないのも、復讐したいって感じない要因なんだと思う」


「……つまり、リオさんを許す、って事ですか?」


 佑の言葉にユカナが口をはさむ。

 肝心な結論部分を佑に言わせないあたり、空気を読めない行動ではあったが、そこはあえてスルーする。


「そうだね……これからもよろしくねリオちゃん」


 リオに向かって満面の笑みを浮かべる。


「ああ、任せておけ。佑に対する贖罪の意味もこめて、死んでも守ってやる事を誓おう」


 佑の笑顔に対し、リオも笑顔で返答する。

 その返答に納得したように頷くと、佑はユカナの方へと視線を向ける。


「ユカナも……これからも引き続きよろしくね」


 自分が死ぬと思い、告白じみた事をユカナに言った事を思い出して、照れくさそうに少し頬を赤らめながらユカナへと言葉を投げかける。


「はい、喜んで!……この命尽きるまでお守り致します!」


 ユカナもまた、少し頬を赤らめながら、満面の笑みで佑へと応える。


「氷室メイド部隊の入隊宣言にもありますが『私は王の剣』です。佑様のためにこの力を使う事を改めて誓います。佑様がお困りの際は、私の力を存分にお使いください!」


 その言葉に対してはリオも異論は無いらしく、小さくうなずく。


 今後、佑が学園生活を送る上では、過剰といえるレベルの護衛。

 しかしそれは、ほとんどの人間が知らないだけで、実際は母と姉に守られているだけ、というごくありふれた事でしかなかった。


 そして、これからも、普通とは言い難い、佑の普通の学園生活は続いていくのだった。


この物語はいったん終了です。


続きに関しましては、話の流れはまったく考えてはないのですが、構想じたいはあるので、もしかしたら気が向いたらこっそりと続きを書くかもしれませんが、とりあえずは一旦ここで終了です。


ここまで読んでくださった方々

本当にありがとうございます。もう本当にそれ以外に言葉が見つかりません。


前作の『魔王少女』同様、そのうちキャラ紹介を追加するかもしれませんが、その時はそちらも見て頂けるとありがたいです。

……まぁその辺も私の気分なので、いつになるか、というかアップするかも謎ですが、極力がんばります。

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