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頼れる同期
渡辺医師の言葉を信じていないワケではなかったが、坂上医師は不安だった
『坂上?』
片平か。実はな、俺は渡辺医師の負担になっていると思う
精神科医の片平典紀は坂上と同期
『なるほど。坂上は大丈夫だと思う。俺と張り合うんだからな。』
いつもと違う典紀の表情
片平、飯おごるわ。
坂上、精神科医は話を聞くのが仕事だ
と言い、典紀は外来に戻って行った
白衣に眼鏡、端正な顔の精神科医は坂上の心の支え
片平、お前、強いな
坂上はそう思う
俺は強くない。典紀は坂上によく言う