5/15
坂上医師と渡辺医師
そのオペは特別患者のオペで執刀は渡辺医師であった
「俺が草野先生に掛け合おう。」
草野順二、渡辺は早速麻酔科教授室へ
「外科の渡辺と申します。彼、坂上博紀先生の件で。」
大動脈解離のオペですが、草野先生はどうして、坂上先生をこのオペに入れないんですか?
「坂上君では荷が重いと思ってな…。」
大物政治家の特別患者さんだからですか? それではあまりにも不憫です。
そうか。渡辺先生が担当だったな。では、渡辺先生がすべての責任を負うかい?
草野のガマガエルのような目が渡辺と坂上を見る
上等です。坂上先生の昇進をかけて戦いましょうか。
「渡辺先生…。」
白衣に面長の坂上が背を向けた白衣の渡辺に言葉を投げる
「坂上くん、俺を信じろ。」