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一般病棟へ
「小松原先生、上本さん、どうですか?」
ああ。精神科の。順調ですよ。
上本とはひき逃げ事件の被害者で、二日前搬送されてきた患者さんの名である
名を彩香と言い、夏海先生に心配かけた。と恐らく号泣するだろうと夏海は思う
ほかでもなく、小松原も気にかけている
早速、集中治療室に夏海は顔を見に行った。
「夏海先生…。」
大丈夫? 外科の小松原先生から聞きましたよ。
死ぬと思った。怖かった。
そうですよね。夏海は彼女の手を握った。
午後、一般病棟に移ろうと小松原は言った。