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虚姫  作者: ひとみ あやね
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プロローグ──とある物語より

盲目の主人公を描くということで、いろいろと至らぬ点もありますが、宜しくお願いします!

昔々あるところに、大きな国があり、その国の小さなお姫様が居ました。

お姫様は金の髪と空色の瞳の可愛らしく、産まれたときには、国を挙げてお祝いがあり、とても幸せな女の子でした。

人々はお姫様を『天上の君』と呼び、とても愛していました。




月日が経ち、お姫様は七歳になりました。豪華なパーティー、多くの人々。飽きてしまったお姫様は、コッソリお兄様と森に出掛けました。


その森は魔物が多くでる忌むべき森でしたが、二人は知る由もありません。

「お兄様、お花が沢山咲いているわ。摘んで帰りましょうね」


花畑に夢中になっていた二人は、気がつきませんでした。



大きな魔物が、背後から忍び寄っていることに。



その魔物は狼の形をしていて、口からは恐ろしいうなり声が漏れていました。黒い毛は逆立っていました。


幼い二人をみて、狼は身体の大きなお兄さまの方に噛みつこうとしました。


肉が裂ける音と血の臭いが充満して、倒れたのはお姫様の方でした。お姫様は一瞬早く狼に気づき、お兄様を庇ったのです。


城から居なくなった姫と王子を探していた騎士がやってきて、狼は逃げていきました。






お姫様は、お城に帰って咽び泣きました。

噛みついた狼は『呪い』を『感染うつす』魔物で、一生目が見えなくなると分かったからです。

美しい空色の瞳は、もうなにも映していません。ただ虚空だけを見つめていました。






その日以来、お姫様の呼び名は変わりました──『天上の君』から、『虚姫』へと。


                          《サズディア王国昔話より 抜粋》

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