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些細な会話
3話 [些細な会話]
陸がみどりの方に向かって歩いていっているときに聞いてみた。
「陸〜?
ここがどこか知ってる?」
みどりが陸の顔を見上げながら聞いた質問に、陸は少し間をあけてから言った。
「多分、俺らの母校の島小だよ。」
「え!?
嘘!島小!?
てか、なんで分かるの!?」
陸もこっちを向いて答える。
「結構建物ん中、見て回ったから。
コンピュータールーム行って『アレ』見たら確信に変わるんだけどな。」
「『アレ』ってプリンターのやつ?」
「そうだ。
『アレ』あったら確信だろ?」
「んじゃぁ、俺行くけど栄も一緒に来るか?」
みどりは満面の笑みで答えた。
「うん!
行く!行く!」
みどりと同じように座りながら話していた陸は、立ち上がって扉に向かって歩きながら「ボソッ」っと言った。
「・・・・何でそんなに喜んでるんだ?」
「ん?
陸なんか言った?」
「なんも言ってない!
気にすんな。」
私は陸の少し赤くなった顔に気づくことなく、陸の後を歩いていた。