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初恋の人
2話 [初恋の人]
ガラッ
私は扉の開く音にビックリして、一瞬体が上下に揺れた。
「誰かいるのか!?」
ん?
何だろうこの声どこかで・・・・。
後ろを振り返ると、そこには身に覚えのある姿があった。
初恋の人「大江陸」だ。
「陸?」
「・・・・何でおれの名前知ってんだ?
てか誰だよお前!」
陸の顔には眉間が寄っている。
こっちからは顔が見える、この反応からして逆光でこっち側の顔が見えないのだろう。
「忘れたの?
みどりだよ。
「栄みどり」!
小学生の頃よくたたかれてたの覚えてない?」
「え!?
本当に、オバッ・・・・!」
私は陸の口から「オバッ」という声が聞こえて、一瞬悲しげな表情をした後
「スクッ」っと立ち上がり言った
「陸?「オバッ」って何かな?」
陸は「んっんん!」と咳払いをしてから言い直した。
「・・・・栄か?」
「そうだよ。
また、「オバサン」っていうのかと思ったよ」
冗談で言ったその言葉に、陸は図星という顔をしていた。