お正月番外編
「あけましておめでとう!」
『あけましておめでとうどすぇ』
「あけましておめでとうございますっです……所で蘇我さんはどこっですか?」
『ああ…蘇我はんなら[僕の煩悩を鐘ごときで消せるもんなら消してみな!]って言って佐悟さんとお寺に行きましたどすぇ』
「至近距離で除夜の鐘と戦う気っですか……」
「新年だなぁ…みんなの今年の抱負はなんだ?ちなみに俺は木綿だ」
『それは豆腐でしょうが。そうですねぇ…私はバイトに遅刻しない、ですね』
『私は絹ごしどすぇ』
『だからそれは豆腐でしょうが!』
「あたしはっですねー…ゴン兄に少しでも近づくことっですね!」
「ゴンザレスに近づく!?それは遠い夢だな……。頑張れよ?ゴンザレスは凄ぇやつだからな!」
『よく聞きますけどゴンザレスさんってどんな人なんですか?』
その質問一つで場に沈黙が走る―――
「………あいつは凄ぇぞ?とりあえず俺がケンカでアイツに勝ったことはほぼ無いからな」
『霊能さんが!?本当なの!?』
「あと空も飛べるっです(ちくわ二本消費)」
「盆踊りが異様に上手だったな…」
「ワープも出来るっですね(ちくわ三本消費)」
「あと気配も探れるらしいぞ」
「影分身も出せるらしいっです(分身一人あたりちくわ二本消費)」
「そんな俺の大事な親友だ!」
『霊能はんと仲がいいんどすなぁ…』
『所で霊能殿は正月に実家に帰らないんでござるか?』
「…小次郎いたのか。実家だと?絶対帰りたくない。」
『なんでどすかぁ?霊能はんのお爺さんお婆さん見てみたいどすぇ』
「命を粗末にするなさっちん。自殺はおすすめしないぞ」
『そんな危険な人たちなの!?どんな老人よ!?』
「実家にはな…大量のふざけた罠があるんだよ」
「罠っですか?どんな?」
『ふざけたと言ってもそこまで酷くは無いでござろう。せいぜいが硫酸落とし穴くらいでござろうよ』
『小次郎さん!?十分酷いわよ!?』
「惜しい、王水だ」
『想像以上でしたぁぁぁぁぁぁ!!?』
『霊能はんの家族について詳しく知りたいどすなぁ……』
「さっちん、それは本編でいつかやるから詳しくは本編を待つんだな」
「……王水ってなんっですか?」
『えぇと…なんでも溶かしちゃう液体って認識でいいと思うわ』
「そしてこれが服だけ溶かしちゃう液体だ」
『なんでそんなもの持ってるのよぉぉぉぉぉぉ!!』
『待て霊能!!』
『蘇我殿っ!?いつの間に来たでござる!!?』
『ああーっ!!霊能君!絶対にその変態(蘇我君)に渡しちゃだめよぉぉ!!』
「大丈夫だよくっちー、蘇我には渡さん!残念だったな蘇我!」
『何を言ってるんだ霊能?僕はそんなものいらないよ。服を溶かすなんて破廉恥な。そんな恥ずかしいことばかり考えていてはいけないよ』
『煩悩消されてるぅぅぅぅぅ!!!』
『見事に除夜の鐘に負けたどすなぁ……』
『ああ…今なら世界平和についての画期的な意見を述べれそうな気がする』
「この人本当に蘇我さんっですか!?煩悩消えただけで別人みたいなんっですけど!!」
「まぁ新年早々蘇我の悪癖が治って良かったじゃねぇか。さてみんな!みんなに言いたい事がある!!」
『私もどすぇ』
「あたしもあるっです」
『私もありますね』
『拙者もあるでござる』
『僕もあるよ』
『じゃあ…みんな一斉に言うか!!……いくぞ?』
―――今年もよろしく(どすぇ、っです、ね、でござる、やっぱさっきの液体くれ)!!!
『って蘇我君の煩悩が回復してるぅぅぅ!!!』
「最後までしまらないっですねぇ」
『それがまたいいんでござるよ』
「そうだな。今年もいい年でありますように!」
お正月番外編 完