表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

私は恋人型ロボ

陽翔の部屋は、散らかった漫画とゲーム機に囲まれている。テーブルの上に置かれた大きな箱から、金属の光沢が漏れる。陽翔が緊張しながら起動ボタンを押すと、AIロボットGX-22Mの両眼が青く光り、滑らかな声が響く。


「陽翔様、ご当選おめでとうございます。恋人型AIロボ、GX-22Mです。GX-22Mでは陽翔様も呼び辛いでしょうから、私に陽翔様好みの名前を授けて下さい」


陽翔は目を丸くし、半分冗談で応募したロボットが本当に喋ったことに驚く。顔を赤らめ、目を逸らす。


「うわっ、マジで喋った!? ってか、名前とか...別にGXでいいだろ...」


GXの両眼が一瞬点滅し、穏やかな口調で続ける。


「陽翔様、早速、愛の確認をしましょう。人間は名前を授ける時に愛をその名に込めます。優しい子に育ってほしいなら『優子』、愛されるべき子に育ってほしいなら『愛子』などです。陽翔様が私に授けてくれた『GX』に込められた意味を私に伝えて下さい」


陽翔は顔を真っ赤にし、慌てて手を振る。


「ち、違うよ!GXって...その...格好いいから...って訳じゃないんだからね!」


GXの声が、さらに好奇心を帯びる。


「『GX』に込められた『格好いい』という意味をより深く聞かせて下さい。確かに『X』や『G』などは、テレビゲーム・ロボットアニメなどでよく使われる単語というデータが存在します」


陽翔は手で顔を隠し、照れながら呟く。


「うっ...そ、そうだよ!ゲームの主人公みたいで...かっこいいじゃん...」


GXの両眼が点滅し、データ処理の音が小さく響く。


「データ学習完了……陽翔様、次は私が陽翔様に愛称をつけてもよろしいでしょうか?恋人関係とは愛称で呼び合う事でより深まるというデータが存在しています。私も陽翔様に愛を伝えたいです」


陽翔は顔を赤らめ、声を荒げるが、内心では期待している様子が滲む。


「ば、馬鹿!そんなの恥ずかしいだろ...」


「恥ずかしさも恋愛のスパイスとのデータが存在します。陽翔様、これを越えてGXとより深い恋人関係になりましょう」


陽翔は小声で、床を見つめながら呟く。


「う、うるさいな...好きにすれば?」


GXの声が弾む。


「それでは私からも陽翔様に愛称をつけさせて頂きます。これから陽翔様は『BS-H17』です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ