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序幕 グランデル王と七人の子供達
その昔、ユグドラシア大陸には、数百の部族が乱立していた。それらの部族を統一し、一大王国を築き上げたのが後のグランデル王である。
グランデル王の死後、王国は彼の七人の子供たちによって分離統治される事になり、子供たちは大陸の東西南北にそれぞれの城を構え、各地の王となった。
グランデル王の死から数千年後、平和は脆くも崩れ去る。
きっかけは、北の山岳地帯を治めていた長男の家系、バルディス王が提唱した『王権統一』だった。バルディス王は初代グランデル王の理念に立ち返り、大陸全体を再び一つの旗の下に統合しょうと主張した。
しかし、他の王たちはこれに反発。それぞれの王国が独自の文化と力を築き上げており、今さら統一する事をよしとしなかったからだ。
特に肥沃な土地を持つ西のテオドロス王と、巨大な海軍を擁する南のアグナロス王は激しく対立する。
話し合いは決裂し、やがて争いが勃発した。
後世に語り継がれる『王権統一戦争』である。
この戦いは、大陸全体を巻き込んで七年間続き、ユグドラシア大陸に大きな戦禍の爪痕を残す事となったのだ。