朝ごはん
ウォルフの体温の温かさに気づけばうとうとと眠ってしまっていた。目を開けると、窓の外はすっかり明るくなっていて時計の針は6時を少し過ぎていた。
膝の上で眠っていたウォルフがもぞもぞと動き、目が合うと口元をペロペロしてくる。おはようの挨拶かな。「おはよう、ウォルフ。朝ごはんにしようか。」
その一言でウォルフの瞳がきらきらと輝く。ごはんという言葉をちゃんと理解しているみたいだ。小さな体を揺らしながらソファから飛び降り、キッチンへと先回りする姿に思わず笑ってしまう。
ドックフードとお湯を器に入れて混ぜる。ドックフードか柔らかくなったことを確認してウォルフにご飯だよ。と声を掛ける。
ウォルフは既に私の方ではなく器を見ている。目の前に器を置くと同時に食べ始める。昨日よりも食べるスピードが速い気がする。食べるのを見ていると更に食べるスピードが上がる。試しに器を触るように手を出すと少し唸られた。ではと食べてる時に背中を触ってみる。これも背中の手をみて唸られた。
随分警戒しているようだ。
がっつき過ぎのような気もするが食欲があるのは元気な証拠だとわかっていても、さっき気づいたお腹のしこりが頭をよぎる。
「食べられてるから大丈夫。元気そうだから大丈夫。」と自分に言い聞かせながら、食べ終わるのを少し離れて見守る。
食後は水を飲んで、私の元に寄ってくる。抱っこすると、口元をペロペロしてくれる。やはりありがとう。と言っているようだ。
お散歩にはまだ行けないけど、抱っこ散歩ならよいかな。と思い、ウォルフに『抱っこ散歩いく?』と聞いてみる。
ウォルフをみると言われていることがわからないのか首を傾げている。あーなんて可愛いんだろう。
『ウォルフ。抱っこさせてね。』と抱っこする。