表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/28

初めての夜

私達も就寝する時間が近づいてきた。

ウォルフは一人で眠れるかな?とウォルフのベッドへと誘う。

急に膝から降ろされて一人になったことが寂しいのかキュンキュンと鳴き始めた。

そうよね。一人は寂しいよね。めいぐるみでは親兄弟の代わりにはならないよね。

じゃ、眠るまで一緒に居るよ。大丈夫。一人じゃないからね。とウォルフに声を掛ける。

ウォルフをベッドに寝かせて眠るまで背中をトントンする。と、落ち着いたのかスヤスヤと眠り始めた。

私はそれを見て安心し自分達の寝室へ向かうことにした。


今日のウォルフの様子を思い返してみる。

ご飯をもう少しゆっくり食べれるように工夫した方が良いかも。躾も。お座りぐらいはできた方が良いよね。後はおトイレか。

まだ3回目のワクチンを打ってないからお散歩は出来ないし。明日からやる事を整理する。


明日からウォルフの観察を始めようと心に誓って夢の世界へと旅立った。


夜中。

ふと目が覚めると、寝室の外から小さな鳴き声が聞こえてきた。

「キュゥン、キュゥン……」

ウォルフだ。やっぱり一人では心細かったのね。


静かに寝室を出てリビングに向かうと、そこには小さな体でベッドの縁に前足をかけ、じっとこちらを見上げているウォルフがいた。

大きな瞳が潤んでいて、まるで「どうして一緒に寝てくれないの?」と訴えているようだ。


抱き上げると、体温がじんわりと胸に広がる。まだあどけない温もり。

「仕方ないなぁ、今日は特別ね」

そう言って、リビングのソファに毛布を持ってきて、ウォルフと一緒に横になることにした。


ウォルフは私の腕の中で安心したように小さくため息をつき、あっという間に眠りに落ちていった。

その寝顔を見つめながら、私は心の中で呟く。

――これから、あなたと一緒にどんな日々を過ごしていくのだろう。


胸の奥に小さな決意と、大きな愛おしさを抱きながら、私も再び眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ