1 衛星機甲 クレイジー・ムーンの章 シナリオ
いつものようにウィディア神からの依頼をこなす事を考えていた鋼鉄。今日もそんな毎日を過ごすはずだった。
だがしかし、今回、転生の間に呼ばれた鋼鉄とレインに与えられた任務は、『他の神が転生させた者の中から、星のチカラの継承者を探して欲しい』というもの。
終の剣閃 ヴェロニカ編
早速、扉の世界へと旅に出る鋼鉄とレイン。最初の転生者は『終の剣閃 ヴェロニカ』謎のサムライダークエルフだ。扉を出た先の山道でたまたま出会い、戦闘に入る。神速の一太刀で急に切りつけられるが、レインが鎧を外部から操作してシステム『ハイブースト』を起動させ、鎧のスピードを一時的に飛躍的に上げ太刀を止めることに成功する。
神速の一太刀を鋼鉄にたった三本の指で止められたことに心底悔しがるヴェロニカ。狙いはこの刀か、私の命かと鋼鉄たちに問う。鋼鉄は「今の私は装備、及びシステムを制限されている状態だ。君を殺すことはできない」と言うとヴェロニカは「舐めるなよ……私はまだスキルを解放していない!」とさらに怒らしてしまう。
ヴェロニカは四聖剣と呼ばれるスキルを使う。朱雀で牽制し、青龍で回復、玄武で遠距離から攻撃し、白虎で止めを刺す。朱雀は鋼鉄の直撃魔法『破砕水牢』で体中の水分を操作されるが、青龍で回復。玄武を放たれた瞬間、鋼鉄のディフュージョンスーツが負荷限界を突破し再起動に。レインが『斥力反射フィールド』を張りながら鋼鉄の防御に回る。白虎を打ちフィールドを割ると、鋼鉄のスーツが再起動する。四聖剣を全て出し切ったヴェロニカは奥義を出してくる。
四聖獣全てを合わした『四神合一 剣皇の頂』に対し、鋼鉄は直撃魔法『穿花の一撃 電磁崩拳』で対抗し、なんとか撃退することに成功する。ヴェロニカは星のチカラの継承者ではなかったようだ。
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眠りの拳士 リー・メイリャン編
二つ目の扉は地球、中国、福建省だ。ここで小さな町中華を営む夫婦の娘、リー・メイリャンが二人目の転生者。メイリャンを探しに来たと店主に伝えるとまた婿になりにきたのかねと勘違いされ、メイリャンと手合わせすることに。
眠りながら客をぶっ飛ばすことが毎日だったメイリャンが使う武術は、寝れば寝るほど強くなる。夢で遊び、夢で闘う。夢遊夢闘劇 爆睡拳だ。ベースは形意拳。武夷山、広場の特設武闘会場でメイリャンとの激闘、鋼鉄のブーストを使っても追いつけないその功夫は、わずか16才の彼女の才能であった。
追い詰められたところでメイリャンは奥義を発動、だがその瞬間、鋼鉄の懐に入っている星の石がヴォンヴォンと反応する。「この子が星のチカラの継承者だ!レイン!」そう鋼鉄が叫ぶと、月のコアから急速接近する機体が確認される。それこそが、太陽系3機甲の内の一つ。『衛星機甲 クレイジー・ムーン』だった。
衛星機甲『クレイジー・ムーン』機体カラー メタリックシルバー
近距離 近接タイプ
軽量型 単座式 全天周囲モニター
搭乗者 眠りの拳士 リー・メイリャン 使用スキル(予定)
夢遊夢闘劇 爆睡拳(金色形意拳)メイリャンが使う基本形の武術。ナルコレプシー・モードになると最大火力。
極大奥義 眠りの極致 寝神統一
寝言玉 身体強化
真・黒鉄山靠 (シン・クロガネザンコウ)
真爆睡・寝返り神龍
半覚醒 眠りのゆらぎ・解 関聖帝君のチカラを解放する。
極大奥義 眠りの極致 寝浸透勁 (シンシントウケイ) 高性能鎧通し
龍気寸勁 極 (キワミ) 後にレティア神から教わる
※フルチューンナップ 固定武装 フルパッケージ
魔法弾式セミオートショットガン 超包雷 (チャオバオレイ)
対星機体用特大ビームサイス 牡丹鎌 (ミューダンリエン)
対星電磁ナギナタ 大冥月 (ダイミンユエ)
視覚誘因幻惑電磁装甲 ルナミラージュ
反重力リアクター搭載型 コアドライブに直結
サブリアクター『ルナ・クォーツ』→???
搭乗者の感情によって能力が変化する 「感情ドライヴ」搭載
特設会場を吹っ飛ばして着地するクレイジー・ムーンは瞬く間にメイリャンをコックピットへと転送してしまう。鋼鉄はレインにイグニッション・スターを発進させるように研究所に通信しろと命令。イグニスが来るまで斥力反射フィールドで持たせる無茶を決意。特大ビームサイスが鋼鉄に当たる瞬間、レインが防御し横に逸れる。そして、イグニッション・スターが戦場に舞い降りる。
鋼鉄の専用機、メタリックブラックに黄色のラインが入った機体だ。システムはデフォルト、装備はバランスパック。確かに持ってきたと中にいる戦闘AIが元気よく返事する。「まずは武装を剥がす!」と背中の大刀「名刀 卍政宗」を装備。クレイジー・ムーンの特大ビームサイスを手から離すことに成功するが、そこにはメイリャンの爆睡拳が待っていた。
奥義をもろに食らってしまった鋼鉄。損壊率56%とかなりのダメージを受けてしまう。奥義を何度も食らってはまずいと、遠距離武器の使用を提案するレイン。『バーラオスプラズマ圧縮ビーム砲』を『幻のトリプルブースト』(不完全な時止め)と合わして発射し、なんとか機能停止させることに成功。
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幼き勇者 トロン編
三人目は扉の世界ではないのだが、ウィディア神が転生させた勇者を、魔王を倒せるレベルまで鍛えて欲しいという依頼だった。その子の名前は勇者トロン。わずか10才という若さで勇者と言われた鋼鉄は驚き、無茶な依頼だと考える。西の山でブラッドハウンドの群れに襲われていたところを助け、仲間に加わる。冒険者ギルドでパーティーを組み、ゴブリンの洞窟へ出発する一行。
ゴブリンの洞窟の最奥で待ち受けていたのは、ゴッジとロクッジという魔法の剣を持った双子のオークだった。パーティーは善戦するが、鋼鉄のスーツが機能停止してしまう。鋼鉄を庇うトロン。トロンは吹き飛ばされ意識を失う。その時、精神世界でレティア神に出会い、ドラゴニック・セイグラムを覚醒してもらうトロン。竜紋によってゴッジとロクッジは一撃で沈んでしまう。横になるトロンに鋼鉄は「純正のドラゴニック・セイグラムが使えるということは、君は神の血を引いているということだ」と言う。
それを聞いて黒幕である欺瞞神ドレーディアが姿を現す。ウィディア神とレティア神も現れ、激闘の末ドレーディアを追い詰める。だがその時、ドレーディアはパーティーの一人であるミリィを人質に取る。ミリィから特大の魔力『エニヒレーション・ノヴァ』を食らうドレーディア、ミリィにはメイティア神が精神の中に入っていることが判明する。最後には、極大魔法『ジャッジメント・サマー』を食らい灰になっていったドレーディアだった。
四天王激闘編
魔王城へ行くには四天王が持つ4つの鍵が必要なことがわかり、まずは四天王、風のドーウィンに挑むパーティーだったが、苦戦しながらも追い詰める。追い詰められた彼女は『風衝機甲 ソードダンス・ウィンダム』を召喚し、自らコックピットへと乗り込む。フルパッケージのイグニッション・スターが来るまでクレイジー・ムーンで時間を稼ぐメイリャン。追加武装のルナミラージュの使い過ぎで再起動に入る。
ちょうどそのころ、完全武装のイグニッション・スターが戦場に転送されるが上空に四天王、地のスーア操る『地裂機甲 ガンワルツ・ガイア』が現れ、クレイジー・ムーンの再起動が完了する。2対2の状態でなんとか撃破に成功した鋼鉄とメイリャンだった。その後も水のククア、雷のディーランを退け、4つの鍵を手に入れた鋼鉄たちは魔王城へと入っていくのだった。
魔王ディザイア編
魔王城で待っていたのは魔王ディザイア。極めて質の高い闇属性の魔法を操る。激闘の末、あやうく全滅しかける鋼鉄たち。ウィディア神が持たせてくれていた転移の神格紋珠を使い、全員転生の間へと転移すると、そこにはウィディア神が待ち構えていた。ディザイアとウィディア神の闘いは熾烈を極めたが、最後はウィディア神が隠し技を出し、ディザイアは闇の中へと消えていった。
「な…おぬしは?! ディザイア?!」
「ふは…ふはは! これはいい! ニンゲン自らがアルマの娘のところまでわざわざ送ってくれるとは! 手間が省けたよ!」
「空間の神ウィディア! お前は防御の魔法しか持たない神…他の攻撃系の神と組む事で真価を発揮するタイプ…つまり! 一人では俺は倒せない!」
「それは、ワシが魔神化をしない場合の話じゃ……ディザイアよ」
「1クロック空気が凍る。2クロック空間から音が無くなる。3クロック時が歩みを止める」
『魔神化 ウィデア・ザ・アースデライア』
パキりパキりと顔の一部が剥がれ落ち、中から覗くは暗黒の空間。女神とはかけ離れた漆黒のオーラが、彼女の体を包んでいく。正真正銘の隠し技、最後の奥の手。
「あ……ありえない!そんな力、至高神アルマでさえ持たない!おまえは、いやおまえら女神は一体……!」
「ワシがこの力に目覚めたのは1000年前、イールミを失った深い悲しみと怒りにより覚醒した……!」
「そのポテンシャルは地球人……いや、そんなはずは……」
「間違っておらぬよ、わしは元は地球人じゃ。地球で死に、女神に転生した」
「じゃが、転生を担当したのはアルマ様ではない……」
「う、うそだ……ま、まさかあの伝説の……」
「そうじゃ、『宇宙神ティエン』アルマ様に啓示を与える身であり、宇宙を統べる神じゃ まあ、もらえるチカラをくじ引きで決めるタバコを吹かした妙チキリンな白ティージーパンのただのねーちゃんじゃったがの」
「ちと喋り過ぎたのう……」
「ま、待て!その力がありながら、なぜ至高神の座に座らない?!」
「ワシらは至高神の座なんぞに興味はないわい…ニンゲンで言うところのブラック中間管理職…おぞましいのう」
「それに今のワシらは『至高と究極の地球人』を作り出すのに夢中なんじゃ、邪魔せんでおくれ。じゃあの」
「ナハティール、ラハトヴェーラよ」
召喚術により現れる巨躯な二人の魔人
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九伝八極リュウ・レイフォン編
3人目はメイリャンの幼馴染、リュウ・レイフォン。聖八極と二大分派である九伝八極に所属する。メイリャンとかつて武術の頂に共に上ると誓い合った。そんなレイフォンから手紙が届いた。「二大分派が争っている、一度戻ってこい」「そんなことあるわけナイネ!」と言いながら故郷の福建省に帰ってみると半ば抗争のような状態になっていた。武術の争いは武術で収める。その掟を守るため、メイリャンとレイフォンは戦うことを決意する。
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エクストラバトル 力と破壊の女神レティア編
女神の試練その1。宇宙3女神の次女である彼女は、星のチカラの継承者を探す役目に鋼鉄、レイン、メイリャンが相応しいかどうか、その身をもって試す。もちろん彼女が使うスキルは竜紋。純粋なる身体強化のスキルだ。彼女はこのスキルを使い、鋼鉄たちに試練を与える。
バンダナコミック応募用にお話を圧縮した物になります!