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死想英雄譚〜死して始まる物語〜  作者: 亜化月
第一章 英雄への道
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初戦

激しい風圧と体全体でいや霊体での浮遊感を数秒味わい

何もない空間に門が開き

空中に投げ出される。

目の前に映るのは、青い空白い雲あたり一面木で覆われた森そして見た事がない異形のモンスター達が上から見える

そのどれもが淡い光に包まれている様に見える

それを見て思わず


「綺麗。」


そんな似合わないオトメチックな事を言ってしまう

それ程までの光景に目を奪われた

そして空中に投げ出されたのだから当然落下していく

またもや激しく風圧と先程まで綺麗に見えていた森や地面がどんどん近づいてくる


「死ぬーーーー!!!!!

いやもう死んでるわーーーーー!!!!」


そんな意味のない叫びと共に落下していき

地面に激突する直前に空中で止まりゆっくりと地面に足がないので腰で着地するとりあえずは無事にすんだことに胸を撫で下ろしながら


「やっぱり浮けるのか俺」


先程までの会話と出来事が全て嘘でない事の確認が

自分の中で完了する

そうして周りを見渡すと木々しか見えずやはりここは森なのだと理解しながらもいつも修行と称して通っていた山とは全く違う気配を感じる

木々全てが何か特別な力を持っているように見え

感覚的に理解するここは確かに自分が元いた世界ではないのだと地面の近くを飛びながら近くを見て回る。

木を見ても土を見ても少なくとも自分が元いた世界とは違う。少なくとも木の種類に関しては見た事がないものだ。少し進むと池があるのに気付く石を持ち投げ入れ何かが出てこないか確認してから近づく


「本当なら煮沸してからが良いけど」


池に手を入れ掬い口へと運び飲む。そうしてようやく少し疲れが取れた気がした。

一息つき地面へと降り池を見る。


「少し水が甘かったようなやっぱり、いやもう死んでるんだから関係ないか?と言うか甘い?死んでるのに...きちんと五感はあるのか少し鈍いような気がするけど。」


そこでふと気付く


「静か過ぎるな」


元いた世界にも動物が殆どいない森はあったがここは明らかにここは違う。確かに木や地面に痕跡があったから動物はいるはず。

そうして身構えていると、遠くから何かが進んでくる気配を感じそちらを見ると、木々たちを薙ぎ倒し進んでくる存在にを見て感覚だけでなく視覚的にも理解する。

その存在は肌は緑身長はかなり高く4メートルといったところだろうか?女性の腰ほどの腕の太さを持ち

大きな腹と恐ろしい顔で手には棍棒と呼ばれる

木でできているであろう太い武器を装備し

口からよだれを垂らした。オークに酷似している生物が目の前に現れた。

目の前に立っただけでわかる相手は自分を殺す気できているのだろうと

その答え合わせのように咆哮と共に突っ込んでくる

回避行動をいや間に合わない

振りかぶり棍棒を腹の前に構えた腕部分に当て薙ぎ払われる

凄まじい衝撃と共に4〜5メートルほど吹き飛ばされ

攻撃を受けた部分を確認する

予想外な事にその部分には怪我はなく痛みも思った程ないその事が何よりも恐ろしい

咄嗟に防御した部分は折れるどころかあのまま死ぬほどの威力だったなのにも関わらずだ

嫌な予感がしよく見ると先程より体が薄くなっており

腕が先程より動かしにくい動かせない程ではないが

それでも確実にまるで存在が消えていくような感覚に恐怖する

確認が終わりこれからの事相手の事を考える

やはりでかい


「熊よりでかいよな、何メートルだ?」


元の世界にいる生物と比較し同時にある英雄を思い出す


「熊、熊ねー有名な英雄だと日本なら一番は金太郎だろうなやっぱり」


ふと思い付き手を地面をつき足は無いので四股は踏めないが少し浮いた状態で屈み地面に手を置き構えトロールを待つ

それを見て挑発されたと思ったのか先程と同じように突っ込んでくる先程と違うのは屈んでいる分狙い難いのか横ではなく縦での叩きつけそれを地面についた手を使って思い切り横に移動し避ける

さっきまで飛んでいたが流石に腕を使っての動きの方が早いそのままトロールの腕の上を通り首に自分の腕を引っ掛けトロールと自分ごと転ばせようとするだが


「やっぱり駄目か」


予想どうり空を飛んでいる力は思ったより強くなく

相手を転ばすどころか引きずることもできない

トロールの煩わしそうな振り払いを首を離れて避ける

そのままトロールの攻撃を避ける少し考える時間が欲しいなそう思い下へ上へと移動し続け手に砂や石を集めトロールの目にぶつける

トロールは目の中に入った異物を取り出そうと躍起になっているうちに少し距離を置き考える。


「さてどうする」


あの重さあの威力あの分厚い皮膚おそらく普通に戦ったら負けるだろうしどうにかしようにも

あの体格差では倒すことも気絶させることも難しいだろう。

なら逃げるか?

その思考がよぎるがすぐにそれを却下する。

トロールの顔、体を見る目が血走っており明らかにトロールの方が有利のはずなのに追い詰められた姿

先程から明らかに余裕がなくそして決定的なのは先程から流れているよだれだろう


「お前俺を食べる気か?」


いやそうとしか思えない昔にも野生の空腹の動物を見た事があるがすごいその時の光景に似ている


「まず俺を倒したとして、肉が食べられるわけじゃないし、それにいや違うな。お前は、そんな事もう関係ないのか。」


相手はおそらくもう後がない最初の突進よりも明らかに今精彩を欠いているこのままほっておいてもこいつは野垂れ死ぬのだろう

だがそれならば、


「お前が俺を最後の相手に選んだのならどうせ一度死んだ身だ。出し惜しむつもりはないそれにここでお前を倒せないようじゃ英雄なんて、絶対になれない。」


やり合わなければいけない気がした最初の異世界での相手そんな相手に敬意を示して戦おう。

もしかしたら俺を倒すことで何かがあるのかもしれない

やり合うにても今俺の方が明らかに不利相手が弱っていてどのような攻撃をすることはわかったそれでも勝機がないのなら見直すべきは


「さあ俺は今何ができる?」


今飛んでいるように他にもできる事があるのかもしれないそう考えて幽霊が他にできる事を思い出す。


「考えろ。何がある?幽霊に出来ることは?鍛えた体は今の俺にはないならこの体何が、空を飛べたんだ。他にも物をすり抜ける。呪いや不運を呼んだり憑依したり他にもだめだやり方がわからないなら今できる事から何か方法を」


そう考えていると

トロールが先程の異物を取り除き自分を傷つけた幽霊を睨みつけ突進してくる。

咆哮し、トロールが迫る。

最初の突進より早くそして力強く棍棒を幽霊に向け

縦に振るってくるそれをなんとか避けるが。

その攻撃の余波は凄まじく避ける事は出来たが

体制が崩れた幽霊をトロールの手は逃さなかった。

体を握られ身動きが取れずにいる幽霊を見て

トロールは勝利の咆哮を放つ大きな口を開け周りに誇示する様は確かに勝者ただそれは目の前の幽霊を完全に動けなくしてからにするべきだった

口の中に何かが侵入してくる慌てて吐き出そうとするが出てこないこの幽霊が何かしたのかと手の中の幽霊を見る


「凄まじかったよでも口を開けるべきじゃなかった。」


そうトロールにつげるただこのトロールには日本語は通じないだがそんなトロールにもわかる事があった。

自分はしくじったのだと

トロールは自分の体の中で何かが暴れ回っていることを痛みで理解する。

肺、喉、胃、腸異世界の生物であっても血が流れよだれなどを出すのと同様に臓器は存在している

そして


「目に対する攻撃が効いたんだ。臓器も皮膚と違って弱いんだろ」


この幽霊にとってトロールに対して有効打がない事が1番の問題だったそれが内部への攻撃によって解決する

だがトロールはわからない事があった今自分を中から攻撃している存在はなんなのか自分は何を口に入れられたのか?


「たかが土や石それでも充分な凶器だ。」


いよいよトロールは痛みに耐えられなくなり手に持っていた棍棒と幽霊を手放し地面に落とす。

そうして今自分を傷つけている元凶を睨みつけると

その周りには石や木の枝土が幽霊の周りを飛んでいた


「ポルターガイスト日本だけじゃなく世界中で有名な幽霊が起こす現象のひとつ他の方法はやり方がわからなかったけどこれは自分が今空を飛んでいる方法を応用すればできた。」


物体に意識を向け念じるそうすれば先ほどトロールが手から落とした棍棒を目の前に持ってくるただ


「重いなやっぱり」


流石に持ち上げられる重さと速度に制限があるらしい

ただ今はこれでもいいポルターガイストだけじゃなく自分の腕の力も使い棍棒をトロールの腹に向けて

振る

小さな悲鳴と苦悶に満ちた表情と共にトロールは倒れた近づき首に手を当てる


「死んでる。なんでここまで体力を消費してたのかはわからないでも出来れば万全で戦いたかった」


このトロールは明らかに万全じゃなかった。

もし一つでもしくじれば立場は逆だっただろう

そんなトロールがなぜそこまで自分を倒す事に固執したのか考えていると気づく最初の攻撃遠受けて薄くなったいた体が


「元に戻ってる?体が動かし難いこともないもしかしていや確証はないけれど」


トロールの方に向き直り

手を合わせるこんなことに意味は無いのかもしれないただやるべきだとそう思った感謝とともに


「どうか安らかに眠ってくれ」


その言葉で異世界での初戦のの勝敗は勝利で幕を閉じたのだった。













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