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死想英雄譚〜死して始まる物語〜  作者: 亜化月
死者から生者へ
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介錯の一撃

地下通路の奥

死体が積み重ねられた。その場所で多くの霊達が

集まっている。数え切れないほどの霊達が

近いたクロアと神楽へと攻撃を開始する。

物量を使っての突進を仕掛ける霊達に、加護を施された剣を振い切っていく。

前、右、上、真下場所を問わず。近いてくる霊を切って切ってその苦悶の声をその恐怖の叫びを上げながら迫る。

霊達へと応戦する二人の目の前で魔法陣が展開された。

霊達の一人が呪文を唱え魔法が放たれる。


風よ吹き荒れろ(アネモフィーカル)


「土よ隆起せよ《ウォールガイア》」


風が迫るそれを神楽が咄嗟に放った魔法が土を隆起させ風を遮るように防ぐ。


「よくやったカグラ!」


賞賛の言葉と共にクロアは奥へと斬り込み呪文を唱えた霊ごと周りの霊達を両断する。

魔法を使えるであろう霊を倒しそのまま攻めていく。

その時クロアは見た人の霊の中に凶悪な牙を持った魔物の霊を


「避けろ!」


その魔物が飛び出し神楽へと迫る寸前クロアが横から

の声に反応し回避し

魔物の霊に腕を咬まれ引きずられるようにその場から遠ざかっていくクロアを見た。


「すぐに戻る!耐えろ!」


地下通路の入り口へと連れ去られたクロアを見送り

神楽は目の前の相手へと剣を向ける。

目の前で霊同士が混ざり合い溶け合い一つの存在へと歪に成り替わりその異様な姿を経て霊は

一つの大きな人の霊へと変わった。

声にならない叫びが響く腕を伸ばし神楽を捕まえようとするその霊達に剣を振う。

剣が霊の腕に当たるがその傷がすぐに修復されるのを見て前へと進む。迫る手を避け、怨嗟の声を抜け、

前へ剣の間合いに持ち込む。


「助けて」


その声に腕が止まった今までの怨嗟や声にならない言葉ではない明確な声に神楽の剣を振う腕が止まる。


「いや声のせいじゃない」


神楽が腕を見ると体に入り込み動きを止めた霊の存在が見えた。


「体ちょうだい」


霊達に本来罪はない、不運にも町を襲われ亡くなり

その上で霊として存在する彼らを神楽が責めることは出来ない。

それでも神楽は理解したこの霊達を倒さねばならないこの霊達はもう救いを求めていないのだと

もう自らの意思すら残っておらずただその意識は生者を害すその為に動いていると理解したから


「ポルターガイスト」


手から落ちる剣が空中で止まり体を奪おうとする霊達を切る。

体が解放された神楽は、剣を手に持ちある構えをとった。

聖剣はここにはない故に本来の力は出ないだが


夢想むそうブレイヴアース(勇者の一撃)


それでも霊達の腕が消し飛ばされ大きくよろめきながらも体を手に入れようと近づく霊の目の前から神楽が消えた。

霊がどこに消えたのか探すと


「遅くなった」


そういうクロアの隣にいる神楽を見つける。

迫ってくる霊達に背中を向け二人は地下通路を走る


「よくやった後は任せて貰ってもいいか?」


魔物の霊を倒し合流したクロアと共に地下通路の外へと向かう神楽は自分達へと追い縋る霊を見ながら


「はい、お願いします」


そう神楽は頼む聖剣を使わずに放った一撃では彼等は仕留め切れなかった。

これ以上霊達を苦しめる気は無い後はクロアさんに任せよう。


「了解した。」


クロアと共に蹴り地下通路から出ると同時に懐から小瓶遠取り出し蓋を開けその中の血を自身の剣にかけた。

血に触れた剣が白い炎を纏うクロアがそれを振うと

白い炎が地下通路の奥へと進み追ってくる霊ごと炎で包み剣を振い収めるまでの一瞬で全てを霊達を燃やし尽くしたその炎は跡形もなく消えた。

苦しむ暇も与えない霊達は自身が消えたことにすら気付かずこの世界から消えた。







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