魔力
「と言うことで、イルダさん自分に魔法について教えて貰えませんか?」
後日今日で何度目かの依頼の後、
神楽は、早く依頼を終えたある日、神楽は魔法使いのイルダさんに頼んでいた。
イルダさんは、数秒時が止まったかのように動きを止め動き出したかと思うと魔法使いとは思えない速度で
勉強会をする為の椅子と机ペンと紙をとんでもない手際で用意し、
「ええ、勿論!どんなことが聞きたいんですか?
最強の魔法でしょうか?それとも日常に使える魔法百選?いやいやそれとも」
異様なテンションで捲し立てるイルダさんに突然何が起こったのか分からず隣にいたジルファさんを見ると
「驚いただろうが付き合ってやってくれんかあいつは昔教師になるのが夢だったんだよ。だから少し舞い上がっているだけだ。」
勿論こちらから聞いたのだ。
やる気になって教えてもらえる事はすごく嬉しいただ
彼の様子を見ていると、何故教師にならず冒険者になったのか不思議なほどだった。
「クロアも聞いていくか?」
武器の手入れをしていたクロアがジルファにそう聞かれると、
「いや俺は新しい依頼がないか見てくる」
そういいクロアは、離れて行った。
その為カリラ、カグラ、ジルファの三人でイルダさんの話を聞く事になった。
「では、最初は基礎の基礎、魔力から教えましょう。
ではまず魔力は、私やカグラさん。魔物、大地や木々
この世界に存在している以上殆どが持っている力です。魔力が生まれつき無い者もいますが。」
イルダさんの説明を聞きながら紙にメモしていく。
その様子に満足しながらイルダさんは説明を続けていく。
「さて魔力を使う為に、生物の体には魔力器官と呼ばれる。魔力を生み出す。場所があるのですが、
カグラさん私の魔力器官がどこにあるか当ててみてください」
そう言われイルダさんの体を見るがその器官がどこにあるか分からない。魔力感知でも分からず悩んでいるとある事を思い出した。
フェリシアさんが魔力を発生させていた場所は確か
「心臓ですか?」
「いえ私の魔力器官は脳です。もし私の魔力器官が心臓だったら多分戦士か剣士になっていたかも知れません。何故こんな事を言えるのかと言うと人に魔力器官
がある場所は人によって違いその場所はその人にとって何かが優れていたり動かしやすいなどの特徴があるからと言われています。
なので例えば、目に魔力器官がある人なら商人や
弓使い腕であれば腕の力が強いので剣士に向いているかも知れませんね。こんな風に魔力はその生物にとって生きる為にかなり大きな影響を与えます。
他にも魔力器官の他にその人がどこに自分の魔力を集めるのが得意なのかによってその人がどの役職に向いているかも分かります。」
イルダさんは目を閉じ息を整え集中すると
イルダさんの目の前に魔力の塊が出現した。
「こんな風に私は身体の外に魔力を集めるのが得意です。ジルファは自分の身体全体、カリラのような聖職者は」
「...私は外もだけど他の人の体に魔力を集めるのも得意」
「そう役職によって向いている向いていないがあります。カグラさんは剣士ですが、もしかしたら外に魔力を集めるのが得意で魔法剣士みたいな事もできる人かも知れませんよ!」
神楽は自分の体を確かめ魔力の流れを感じる。
魔力を集めやすい場所なんて気にした事もなかった。
確かに魔法剣士それが出来れば様々な事が試せるかもしれない。
「何故人によって差異が出るのか知られていません。
魔力器官ができる場所も人によって違う。
正確な理由はまだ解明されていませんが、魂が関係しているのではないかと言うのが今一番信じられている説です。
魔力器官がある場所がその人の魂がある場所なのだと、だから死んだ後魂が離れた肉体は魔力器官を失い残った魔力は生き場所を失い近くの生物や土地に吸収されます。
だから魔物を倒し私達の力が強くなるのは、魂が力を得たからと言われています。まあこれはある魔物から推測された説で本当のところは分かりませんがね。」
「ある魔物?」
「幽霊やゴーストと呼ばれる魔物ですよ。魂だけの彼らが魔力器官どころか生命としての体がない筈なのに
魔力を持っているのでそう考えられています。」
「なるほど」
確かに心臓や体に宿るならそれを持たない幽霊にその推測をされるのも頷ける。
ならフェリシアさんの魔力が失われた理由は、彼女の魂がこの体から失われたからかそんな疑問を解決する。
「どうです?面白いでしょう。では次は!」
そうイルダさんが話を続けようとしたところ
「待った新しい依頼を受けてきた今からでも出発するぞ」
そのクロアさんからの言葉にイルダさんの言葉は遮られる。
「...依頼ってどんな?」
そうカリラさんが聞くと
「幽霊を祓って欲しいそうだ。」
そうクロアさんは今回の依頼の内容について簡潔に伝えた。