竜の逆鱗
神楽が後ろを振りかえるとそこには、
四人組の男女が立っていた。
その四人組に何処か見覚えがあり数秒考えていると
自分に話しかけて来た茶髪で短い髪の腰に剣を携えた男性が名乗る。
「俺はクロア、冒険者パーティ”竜の逆鱗“のリーダー
をしてる者だ。話だけでも聞いてもらえないか?」
そう言われて思い出す。竜の逆鱗それは、最近この町に出入りし始めたかなり腕の立つパーティだと
何度か自分も見たことがあり。
記憶にはあった程度の認識なのだがそれパーティがどうして
とりあえずクロアに促され、椅子に座りテーブルを挟んで彼らのパーティを見る。
「とりあえず仲間の紹介をしよう。俺の隣に座ってる
やつが魔法使いのイルダ」
「よろしく」
紹介されたカルダは背が高めでローブを羽織り顔にはメガネをかけたいかにも魔法使いという格好をしている。
「その隣が戦士のジルファ」
「よろしくなぁ」
大きな体に盾と斧を担つぎあごをさすりながら
ジルファはこちらに大きな手を出し握手を求めてくる。
とりあえず握手をすると
「おぉいいな強い剣士の手だ。」
今聖剣も何も持っていなかったのだが当てられ少し驚く。
「ジルファまだ紹介が終わってませんよ」
そうイルダが言うと
「おおすまんすまん。カリラ」
そう言いながらゾルファは手を下げ隣の少女に謝る。
「で、最後がジルファが先名前にいっちまったが聖職者のカリラだ」
「....よろしく」
カリラと呼ばれた少女は、聖職者と言われた通り
白い修道服に似た服を身につけロザリオを持った少女で、他のメンバーが30いや20代後半のように見えるがほかのメンバーよりかなり若い自分と同じくらいぐらい17か18くらいに見えた。
「カグラです。クロアさんお誘いは嬉しいですが何故自分なんでしょう。」
何故自分が選ばれたのかよくわからない彼らはかなり腕が立った筈だが面識のない筈の自分を
「ああ、いや昨日依頼から帰る途中になあんたが森で修行しているところを見てないい腕してると思って
他のやつに話を聞いたらソロでやってるって聞いてな
興味が湧いたんだよ。」
なるほど、昨日の気配は彼らだったのか、
「昨日は、修行の邪魔して悪かった。試しでもいい今日一日俺らと依頼をやってみないか?」
申し出は嬉しいただ
「自分は剣を持っていなくて...」
「ん?ああなるほどそれで俺の予備でよかったら貸すがどうだ」
あっさりと自分の中で大変だと考えていた問題が解決したのだった。
ある野原で剣撃と魔物の鳴き声が響きわたる
「カリラ支援魔法を、俺とカグラに!ジルファは、カリラとイルダを守れ!イルダ魔法準備しろ!」
クロアの指示がとび各々が従い行動する。
相手にしている魔物は、リビットガードルと呼ばれる。
獣の魔物で、足が発達した。群れで行動する
羽毛で体を纏ったオレンジ色の魔物だ。
魔物達が、突っ込んでくるカグラとクロアに切られて行く。
体が軽いこれが支援魔法か、
その効果を実感しつつ魔物の群を倒していく。
「クロアさん後ろ!」
「おう」
カグラがそう叫ぶ前に、クロアは魔物の突進を避け
すれ違い様に切る。
「ジルファ三匹抜けた!」
「おうよ」
ジルファが盾を構え魔物達の同時の突進を受け止め
吹き飛ばす。
「準備出来ました。」
「凍結せよ」
イルダが放った魔法は、地面に這うように魔法が展開され魔物達の足と地面を凍らせる。
足を止めた魔物達をクロア達が倒していく。
神楽と竜の逆鱗メンバーの戦いは、
呆気ない程の完全な勝利で幕を閉じた。