第208話:女神たちの競演
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2回戦目。
今度は東1局。2局ともに恵が絶好調。
勢いは東3局も変わらない。6巡目。
「リーチ」
サシウマに関係のない恵の圧倒的攻勢は続く。
(こうなると止まらないんだよな、この女…)
和弥の予想通りに、きっちり3巡後にツモって和了る。
「メンピン・ツモ・イーペーコー・ドラドラ。6,000オール」
暴走機関車のように止まらないと思いきや一本場。
「ツモ・タンヤオ・三暗刻・ドラ2・赤2。4,100・8,100」
今度は麗美の倍満和了りである。
(……四暗刻への手替わり狙ってたら、赤を引っ張ってきたってとこか)
もうこうなると順位で決着を付けるしかない。脱落条件である最下位だけは避けるために、和弥と由香でその押しつけ合戦が始まったと言っていい。
落ちつつある人間をさらに落とすには、とにかく和了らせなければよい。逆に打点は安くともアガリ癖なるものをつけることができれば、自分が浮上のキッカケを掴むことができる。その辺りの不可思議な理屈というかメカニズムなるものは、ここにいる全員、十分に理解しているハズだ。だからこそ、スピード麻雀への移行が大事である。
そこは麗美も恵も、そして由香も十分に分かっているはずだ。
(落ち着け落ち着け…。この女2人が味方じゃないのは、最初から分かっていたハズだ。とにかく今は前に出ようとはしない事だ)
恵が1,300点を由香から毟り取り、その由香が500・1,000をツモ和了り、また麗美が2,600を由香から奪い───という、安手和了の応酬が繰り広げられた。
いよいよ南入。麗美が親番でリーチをかけてツモりはしたものの、そのときも裏ドラ乗らずのリーヅモ・ドラ1で2,000オールだった。
この間、和弥は防戦一方。由香より上の3位をキープするのが精いっぱいである。
気が付けば恵の持ち点は60,000点を超えている。彼女だけが太い手を引き和了り、他の3はツモっても低打点ばかりなので、そうなることは言わば必然ではあるのだが。
南4局の由香の親番。バラバラな捨て牌で警戒はしていたが、由香がこの手を麗美からダマ和了したのだ。
「ロン。七対子・赤の4,800。3位だけどここで終了にしておくわ」
(チ…)
2回戦目は和弥がラス。これで1勝1敗である。
「……ほらよ」
先ほどの100万をそっくりそのまま由香に返す格好となった。
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