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The Raptor 〜競技麻雀が嫌いな不良少年と、賭け麻雀が嫌いな優等生〜  作者: MIX
第五章:絶対に負けられない戦い
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第100話:注目

記念すべき100話目。あと25,000PV、ありがとうございます!

「4,400点差、ね。南4局(オーラス)で私が1,000・2,000を和了(アガ)れば問題ないわね」


 そう言いながらも、恵の表情には諦めの色が濃く浮かんでいた。


(参ったわね………。並みの神経してないわ………)


 卓から牌が浮上する。恵は牌山から配牌を取っていく。


(他の連中はともかく、この子には揺さぶりは全く通じなかったわね)


「何か勘違いしてるみたいだけどな、発岡さん」


 軽く理牌(リーハイ)しながら和弥は言う。


「俺は最初から優勝しか狙ってないぜ? ベスト8程度で止まっているつもりはねぇよ」


「……」


(そう。俺はこれからも、自分の麻雀を打つだけだ)


 南4局。ドラは六索。4巡目。


「ツモ。500・1,000」


 早々と和弥が和了(ホーラ)。この瞬間、立川南のベスト8進出が決定した。


「やったー!!」


「竜ヶ崎先輩凄い! 凄いです!!」


 和弥があがった瞬間、立川南麻雀部の控室は、大歓声に包まれた。


「発岡さん、お先に」


 本来は2位の陵南渕もベスト4進出だが。和弥は恵に一瞥もくれず、南4局の余韻に浸りながら卓を後にする。

 恵はその背中をただ見つめるしかなかった。


「ふん……本当に生意気な子」


 恵は乱暴に牌をかき混ぜる。卓は一瞬にしてバラバラになっていった。


(竜ヶ崎和弥………何から何まで新一さんそっくり………)


◇◇◇◇◇


「ただいま」


 相変わらずの無表情で和弥は控室に戻ってきたが、同時に会場で大きな歓声が沸き上がったことに驚いた。


「な、何……?」


 和弥だけではない。小百合、由香、今日子、紗枝、そして綾乃。他の面々も驚きの表情を浮かべていた。ドアのノックが凄まじいからだ。

 龍子が慌ててドアに駆け寄る。


「いえ、ですから………申し訳ありませんが竜ヶ崎は、そういうものには興味ないと………えぇ、本人が言っているので………」


 なるほど、ドアの向こうには取材陣が殺到しているのであろう。

 優勝候補である陵南渕を、発岡恵をも退けたのだ。注目されない訳がない。


「どうする竜ヶ崎? 一社くらいは応じては………」


 龍子はドアを一度閉じ、和弥に問いかける。だが和弥は首を横に振る。


「いや………いいですよ。俺は有名になるつもりはない。何度聞かれても同じです」


 その表情には、かすかにだが苦笑いが浮かんでいた。


「よし、分かった。じゃあ適当に断っておく。その代わりと言っては何だが、お前のコメントをこちらで用意しておくから」


「分かりました」


 そう言ってドアに再び向かおうとする和弥だったが、小百合が声をかける。


「竜ヶ崎くん……ちょっといい?」


「……何だ?」


 小百合は少々戸惑った表情を見せたが、思い切って口を開く。


「あのね……後ででもいいんだけれど……ちょっと聞きたい事があって……」


(まどろっこしいな)


 和弥はそう思ったが口には出さず、ぶっきらぼうに返事をする。


「構わないぜ?」

月・水・金曜日に更新していきます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 100話おめでとうございます。 ここまでくると雲隠れも限界感が。校長あたりの線から来ないようにケアしないといけませんね。
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