食べレポ これは絵の具ですか、いいえ薬です
12月28日です。
朝の薬にダイフェンの代りの感染症予防薬、サムチレールが加わります。
飲む薬が多いので、私は百円ショップで買ったケースを朝・昼・晩と三つ用意して、それぞれに一回分をセットしてまとめてあります。これならば飲み残しは無いかな、です。
さて、ダイフェン及びサムチレールという感染症予防のお薬ですが、一体何を特に予防しようとしているのかといいますと、ニューモシスチス肺炎です。
ニューモシスチス肺炎とは、真菌の一種類である「ニューモシスチス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)」により引き起こされる感染症のひとつを指します。
以前は、ニューモシスチス・カリニ (Pneumocystis carinii) による肺炎とされ、「カリニ肺炎」と呼ばれました。
以上、メディカルノートより引用込みの説明でした。
つまり、前回私がカンジタ炎になったように、通常の人ならば感染しないぐらいに弱い菌に私は日和見感染してしまうので、その予防ですよ、なのである。
では、薬疹が出たダイフェンの代りのお薬、サムチレールについて簡単に紹介しますと、ネット上では見た目味が最悪な上に高額な嫌な奴、だそうだ。
確かに高額でしたよ。
1包あたり薬1760円
それを一回につき2包毎日飲む。
一か月の薬代はいくらかかって行くんだろう。
では飲もう、の前に、不味い薬のために私は今朝の朝ご飯は気合を入れたことを報告申し上げる。
死ぬほど不味いものの前ならばこそ、美味しいものを食べたいじゃないか。
だが、ステロイドを飲んでいるので、糖尿病対策は必要だ。
そこで、カルディにて純粋なるピーナッツバターを買った。
ピーナッツバターはタンパク質も取れる上に血糖値を下げてくれるという、実は素晴らしき食材だったと今更に知ったのだ。好物なのに太るからって思い込んで敢えて避けてきた私の馬鹿。
そして、朝食に気合を入れているならば、最高の朝食のために用意するは最高の食パンであらねばならない。
私の大好きなお店の食パンだ。
本気で美味しいとお薦めなので店名も書くが、世田谷の三軒茶屋に本店があるボヌールというパン屋のものだ。ここの食パンは甘くないので純粋に小麦の香ばしさを堪能でき、また、生地はきめ細かくシルクのよう。トーストにすると表面はサクッと、内側はふんわりと、もう最高である。
ちなみに三軒茶屋にはボヌールは二店あり、本店は下北方向に延びる茶沢通りにある物凄く小さく狭い店の方である。そしてボヌールの本店前に立った人は誰しも、三茶はパン屋の激戦区だなと気が付くだろう。それは、道を挟んで斜め向かいにトリュフ塩パンで有名なトリュフベーカリーがあり、その店を越えて歩いて行った曲がり角には、世田谷通りで寿司屋だった店舗でなぜかパン屋を始めた濱田屋という有名店の支店があるのだ。
私はボヌール本店に行くたびに、負けるんじゃないよ、と拳を握ってしまう。
さて、そんな美味しいパンを食べて幸せになった私が迎えねばならない試練、サムチレールに戻そう。
簡潔に書くと、つまらなかった。
詳しく書くと、味は風邪薬のパブロンをもう少し苦みと甘みを強くしたようなもので、吐き出したくなるような不味さでは無かった。色合いと舌触りはネットにある通りに絵の具であるが、本物の絵の具のような味でも風味でもない。
取り立てて騒ぎたてるものでは無かったのだ。
これは、外人に道を聞かれた時と似ていると思う。
とりあえず慌て、そのまま逃げてしまう人もいるが、落ち着いて話を聞けば指さしてあっちに行けで終わるような話、そんな感じだ。
私は世田谷の三軒茶屋に遊びに行くと、小汚い格好をしているからか地元民と見られ、なぜか外人に道を聞かれる。
その外人達は揃いも揃って「世田谷警察」に行きたいらしく、また、私に声をかけてくる場所も揃いも揃ってマクドナルド前という同じ場所だ。
だから私はマクドナルドの真横にある、三軒茶屋交番を指してやる。
全員が全員、拒否やがるがな。
「のーのー。せたがやけいさつ!」
知ってんよ。お前の国は知らんが、日本のマワリは親切だから交番行けよ!
と英語で言い返せないので、私は別のものを指し示し直す。
信号機だ。
外人の目を見て「しんごう!」と言ってやる。彼は日本語覚えたよと言うちょっと嬉しそうな顔になった上で、信号と復唱する。したらば、もう少し先の二個目の信号機を指さしてやる。
「信号。ふたつめ。」
「しんごう、ふたつめ。」
さらに遠く、今度はそこから見えない位置であるが、あるはずの信号機を指さす。
「信号三つ、まっすぐ。」
次は進行歩行に体の向きを変え、右腕でまっすぐ行けと言う風にジェスチャーし、その後は信号を手前から指さしながら、いちにいさんと信号があるとわかるように指し示してやる。
「信号三つ、まっすぐ。」
それから、今度は左腕を上げて左を指さしてから体の向きを腕の方向に変える。
「左に曲がり、そのまままっすぐ。」
「まっすぐ。しんごうみっつ。ひだり、まっすぐ、さんきゅう!」
これで大体は感謝して去ってくれる。
まっすぐ、しんごうみっつ、ぶつぶつ日本語を唱える大型白人男性の後姿は可愛いと感じながら、私はいつも見送っている。
左に曲がって真っ直ぐに行っても警察署の表門には行けないが、免許更新用専用出入り口はあるし、その通りにはオレンジ在中の消防署分署もあるから大丈夫だろう。という不安を抱いてやるほど義理もないし。
この程度で済むんだから、外人に道を聞かれても逃げる必要は無いと思う。
一番悪手は、英語で答えようとすることだと思う。
以前山手線で遭遇した外人観光客から盗み聞いた会話を紹介する。
まず渋谷で乗り込んで来た彼らは、はぐれた友人が原宿で同じ車両に乗り込んできたことで、その再会を喜んでいた。
「良かったよ。親切な日本人に教えてもらったか?」
「自力!みんな逃げちゃった。あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ、って。待ってそれ英語です!」
「お前よか文法力あるもんな。」
「うん。ぼくえいごちょっとしかできない。」
逃げる時こそ日本語でおけ、らしいよ。
お読みいただきありがとうございます。
蔵前は英会話できませんが、受験勉強してきた歴史もあるので簡単な単語による簡単な英語でしたらヒアリングできます。たぶん、日本の高校まで頑張った人は、相手の言葉が英語だろうが落ち着いて相手の言葉を聞けば何を言っているかはわかるんじゃないかな、と思います。
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2022/12/29 パンシロンではなくてパブロンです。パンシロンは胃薬でした。