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お気楽入院生活から自宅に戻れば

膠原病多発性筋炎の入院治療内容だが、医師に指示された分量のステロイドを飲む、それだけ。

そして、一週間ごとに血液検査をしてCK値を確認し、ステロイドの減量を試みていく、という流れだ。


入院の目的がステロイドを入れた患者への管理や経過観察が目的であるならば、医師も看護師もステロイドによる副作用が患者に起きているかを必死に見守ってくれているものだ。だが、当の患者はほったらかしされているような感覚である。


しかしながら、病院でだらだら過ごすうちに思ったのが、看護師って凄いなってことだ。


私の体調や状況を担当医師に伝えられるのは、朝の回診時の五分だけだ。後の医療行為ははどうなのかというと、血圧測定や血糖値測定を看護師にされる、それだけである。けれどその間に看護師は私の様子を観察し、精神的、あるいは肉体的変化がないかの確認をしているのだ。

笑顔と親しみのある雰囲気を全く崩さずに。


院内掲示板に貼られていたお知らせによれば、入院病棟の看護師は最低でも7人の患者を担当しているそうだ。彼らが七人もの患者のそれぞれに対しての病状現状を熟知したうえで変化を探っていると考えると、ただただ凄いと尊敬である。


さて、無能な日中の私に話しは戻すが、私が全くの暇人となっていたのは、現在コロナ禍で前面面会禁止による弊害でもない。

入院病棟に面会で入館できずとも、一般患者や家族で溢れている病院内にあるカフェで待ち合わせなどいくらでもできる。


以前にエッセイで書いた親切で優しい天使みたいな職場の友人、アンジェラと呼ぶことにするが、アンジェラも実姉も、必要なものをいつでも持って行ってあげる、なんて言ってくれていたのだ。


そんな彼女達に対し、厚意がありがたすぎると辞退したのは私の方だ。

ボロボロな姿を人に見せたくは無いという女の小さなプライドもあるが。

彼女達を安心させるために、私はこう言っていた。


「我が家の男達、特に息子を動かしてみたいの。将来独り暮らしして欲しいから、そのプレみたいな感じで。」


アンジェラはすぐに納得してくれた。泣かせる台詞と共に。


「寂しくなるから顔だけでも見たかったの。だから、何かあれば呼んでね。」


が、実姉は私の家の実態を知っている。そこで彼女からのメール返信はいくらでも呼びなさい、だったが、大丈夫じゃないんじゃないの?というニュアンスは何となく行間から読み込めた。


はい、全く大丈夫じゃ無いと思います。


でも私は決めたのだ。

夫と息子という奴らの存在に対して心配することを、私の入院生活から完全排除する事に私は決めたのである。


我が家に残した男二人は、私の一か月の入院について、私の体の心配よりも自分達の生活の心配しかしなかった。私に病院の面会時間どころかどこに入院するのかなど一切聞かないくせに、あいつとどうすりゃいいんだ、と同じセリフを言い放ちやがるばかりだったのである。


夫と息子の間には、青森の南部人と津軽人ぐらいの溝があるらしいのだ。


だがな、互いを嫌い合っているけどな、お前らが私に相手について語る台詞は、毎回毎回、二人とも双子みたいに同じセリフなんだよ。

意気投合している仲良しさん、じゃねえか。


そこで私は、二人には私がいないこの機会に互いに言い合って二人の関係が完全に破綻するか、歩み寄るか、のどちらかになって貰おうと考えた。


ほら、病気にストレスは一番の大敵でしょう?


ベタのオス二匹を小さな水槽にぶち込むという、やってはいけないことをしたような気もしたが、11月28日の私は奴らなど知らんと振り切って病院に走ったのである。


その後、12月22日に退院した私はその結果を知ることになったが、二人の関係性が全く変わっていなかった事実にはあきれるばかりだ。


彼らは会話をすることも一切無く、お互いに存在を無視しながら生活していたようなのだ。


そんな生活していく方が普通に面倒臭くないか?

お前らにはがっかりだよ。


そしてそんな奴らでしか無いと思い知らされた、退院したばかりの私は、何とも言えない気持ちのまま自分を誤魔化すために動いていた。奴らの為に夕飯用の材料を買いに行き、黒い筋が見えて悲しくなったトイレの掃除をし、天井にカビが生えていた風呂場を洗い、息子が乾いたと持って来た洗濯ものを畳んだのである。


「これはあいつのだから。」


「洗濯当番をしてくれてありがとう。」


うん、息子は少しは動いていた。やはり、息子の方が可愛い。

だけどさ、退院した翌日に筋肉痛になるって、どういう事なんだろう。

なんか、病気で介護施設に行く将来よりも、旦那と息子をぶちのめして刑務所にご厄介になる未来の方が確実そうだ。


皆様、甘やかしという優しい虐待の結果は自分に返ってきます。

面倒でも、出来ない奴らは躾けておきましょう。


いざという時に、本気で自宅療養したいのであれば!!



お読みいただきありがとうございます。

自宅療養といっても、私が病気のためにする事は、忘れずにお薬を飲む、それだけです。

あとは年明けに仕事に復帰できるように日常生活をこなしていくリハビリです。

家族は心の支えと言いますが、こん畜生でいてくれるから私があるのか。

さて、明日は飲めなくなった感染症予防のダイフェンの代りのお薬、サムチレールを始める日です。

黄色の絵の具みたいなクソマズイ薬と嫌がられて有名な奴ですので、実際の色や味などを食レポしようと思います。

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