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副作用のデパート、ステロイドはセット販売です

ステロイドを投与される前には、どの患者も担当医師からステロイドについての説明を受け、同じような説明を今度は薬剤師の方から受けねばならない。

それは、ステロイドが有用性が高い証拠のように副作用も多いからであろう。

一度始めたら止める事など勝手にできない怖い薬でもあるのだ。


ステロイドのよくある副作用一覧を書き出すと、以下のようになる。


①感染症にかかりやすく、また治りにくくなる


②骨粗しょう症


③高脂血症


④肥満と糖代謝異常

ステロイドは体内のインスリンの作用を抑え、血糖値をあげてしまう。

そこで、入院中は日に四回の血糖値検査をしていました。


「どの指にしますか。」

「お好きな指でいいですよ。」


左手人差し指が看護師さんには人気者で、ここばっかり指されることとなった。

穴だらけとなった指先の結果に学んだ私は、翌日からは自分で穴を開けられる指を指定するようになりました。

あ、もしかしてこれこそ看護師さんの作戦?


⑤クッシング徴候

手足が細くなるかわりに体中央は膨らみ、肩に脂肪が付いて野牛症と言われる症状に成ったり、顔が膨張してムーンフェイスと言われるものとなる。また、毛深くなったりニキビのような発疹が出る。


⑥白内障に緑内障


⑦消化性潰瘍


⑧骨壊死症

骨量が減っての骨そしょう症どころか、骨組織を壊してしまうとは!!


⑨副腎不全

ステロイドを作っている副腎が仕事をしなくなるってこと。だから勝手な判断でステロイドを止めてはいけない。ステロイドの生理作用が全くない状態となり、命に係わる結果になるそうだ。


⑩睡眠障害それによる躁鬱などの精神的変化


などなど。

本気で副作用のデパートだな、ステロイド。

そして、⑩の睡眠障害については、難病の友が一番きつかった副作用だそうだ。

ステロイドの用量を減らすまで、一日として寝られなかったというのだ。


「目がぎらぎらしてぜんぜん眠れなかったの。だけどね、私は鬱にならずに物凄くハッピーな気持ちばかりだった。体が凄く楽になっているって気が付いたからかな。副作用もいっぱいあるけど、自分の身体はこんなに辛かったんだって気が付けるぐらいに楽になるんだから怖くないよ。」


うん、あなたのお陰で、医師や薬剤師からステロイドの有用性と危険性の説明を受けても、全く不安にならなかった。

それよりも、早く体に入れたい、そう考えた。


実際、入院した三日で、私は自分の体と体力がもう限界だったと気が付いたのだ。


医師の話では、私が服用するべきステロイド量は、合計で一日50ミリグラムの量となるらしい。

どのくらいの薬の量となるのかわからないが、難病の友人も、ええと、女神みたいな美人さんで勇気くれるから神の恩寵、ハンナと呼ぼう、とにかくハンナが薬の量が多すぎで笑えたと笑っていたじゃないか。私も笑って受け取ろう。


しかし薬剤師によって私の目の前に置かれた薬袋は複数だった。

どうやら、私が飲む薬はステロイドだけでお終いではないらしい。


「ステロイドの副作用に対応した薬でして、これら全部をまとめて、ステロイドセットと呼んでいます。」


「セットになっていたのですね。」


まず、副作用①を防ぐ薬、ダイフェン錠。

次に、⑦の消化性潰瘍を防ぐためにタケキャブ錠。

さらに、②の骨そしょう症を防ぐためにビタミンDを補給するアルファカルシドール錠と、骨密度を高めるための月に一回飲むリカルボン錠。

リカルボン錠は骨吸収抑制剤というものだが、これの副作用が顎の骨の壊死だったりとただでさえ怖いのに、飲んですぐに横になると胃に貼り付いて潰瘍になる、上手に飲み込まないで喉にひっつくとそこで潰瘍になる、と医師と薬剤師から脅されている怖いのエンドレスな薬。


以上がステロイドを始めるにあたり、今やステロイドセットと呼ばれている組み合わせなんだそうだ。

薬大杉でげっそりくるが、私はそれだけでなく、もう一つ薬の追加がある。

ファンギソンシロップという飲み薬だ。

これは食道カンジタ炎の治療薬であり、二週間朝昼晩と飲み続けることになった。


さて、ステロイドは30ミリに減らせたら退院と言われているが、どこまで減量出来て、これらを飲まないで済む日はできるのだろうか。

私にはどの副作用が最初に起きてしまうのだろうか。


12月18日。

ステロイドの副作用を心配をしていた矢先、ステロイドを40ミリに減量した日であるが、私の体に薬疹が出たのである。ぽつぽつと小さな蕁麻疹が手首肘と膝、それから眉間に出始め、そこから一気に全身に広がった。

※参考画像としてあとがきに薬疹の広がり始めの状態時の写真をUPしてあります。

 グロイので、見たくない人はあとがきを無視して下さい。


ステロイドのお陰で炎症が抑えられているからか、全身が真っ赤な斑点塗れの凄い状態であるのに、痒みが両手と顔だけ、なのである。

これこそ不幸中の幸いだろう。


一番痒いのは両手で、手が腐って行くんじゃないかと思うくらいに熱さと強い痒み襲われて眠れないくらいだった。だが、その痒みは両手だけだ。赤くなっている場所全部がこの痒みを伴っていたら、私はナースコール押しっぱなしという状態になっていただろう。


そしてこの薬疹について、医師によればダイフェンが原因とのことだった。


この事態により、私の飲み薬からダイフェンは消去され、別の薬が増えた。


追加されたのは、オロパタジン錠。

アレルギー反応を抑える薬である。


ただこれ、飲むと凄く眠くなる。

朝は何もする気が起きなくなるぐらいに、眠い。

花粉症の旦那が医者に行ってクスリまで貰って来たのに、仕事だから眠くなる薬は飲まない、と言い張って花粉症に耐える道を選んだ気持ちが分かった。


本気で薬で眠くなると何にもできない。


眠い、頭が回らない。


薬疹のせいで顔と両手が熱くて痒い。


かゆい。かゆい。かゆい。


かゆ、うま。

グロイです。

挿絵(By みてみん)        挿絵(By みてみん)


お読みいただきありがとうございます。

今夜はこれで寝ます!

もし続きも読んでも良いよ、と思われましたら、ブックマークお願いします。

病気だからこそ自分の身の上を笑い飛ばして行きたいと思ってます。

皆さんが健康であることを祈って。

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